2017 Fiscal Year Research-status Report
内部労働市場における日本型人事管理と人材の多様性に関する理論的・実証的研究
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17K13802
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
小泉 大輔 大阪国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40735411)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 人的資源管理 / ダイバーシティ / 女性活躍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究の目的である,「様式化された事実」として制度化した日本型人事管理と人材の多様性との関係を理論的・実証的に解明することに向け,以下に記載する2つの取り組みを実施した。本研究の実証研究では,職種としての営業職を調査対象とし,日本型人事管理については人事施策を構成する諸施策のうち,配置異動や転勤,人事評価に着目して,それらの施策が人材の多様性については昇進昇格,就業継続(離職),キャリア自己効力感など客観的および主観的キャリアにおける男女間の多様性に与える影響を明らかにしていく。そのために本年度は,1)既存研究の検討およびレビューを進め,既存の人事データおよび企業調査データを利用した分析,2)新たな調査に向け,対象企業の選定と調査企業との打ち合わせの進捗を行った。1)に関しては,先行研究については蓄積された実証研究の知見を現在の正社員の多元化やワークライフバランス,女性活躍などの課題と擦り合わせながら捉え直す作業を行った。さらには,人材の多様性を疎外する理論としての内部労働市場論や統計的差別の理論をもとに,どのような変数で補足すれば望ましいのかについての検討を行った。また,収集した製薬企業(X社)および製造業(Y社)から収集した人事データを人事評価,配置異動などの人事施策に関する変数と,退職イベント,昇進・昇格イベントなどのキャリアにおける男女の多様性についてのデータ構築作業をおおむね完了させた。企業調査データの分析はすでに論文化され,学会報告を行い,そこで得られた知見をもとに経営学系の学術雑誌への投稿を行った。また,本テーマに即して公開されている二次データを利用した分析作業も行い,学術雑誌への投稿論文を執筆した。2)については,新たな製造業企業の人事担当者との打ち合わせを行い,調査に向けたすり合わせ作業を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず,既存データの構築作業の量が当初よりも膨大にのぼり,その正確な把握と整理に傾注したことが理由の一つである。また,既存データの構築作業には調査対象企業との調整確認作業が逐次発生したこともその要因のひとつに挙げられる。さらに公開された二次データの分析について,理論仮説との整合的な論理展開を思考することに時間がかかったことも指摘できる。 次に,本年度中に予定していた上記2)の新たな調査企業の選定とその調査内容の確定が遅れたことである。個別企業の人事データ分析はそのデータ自体に秘匿性が高いため,研究者と調査対象との信頼関係構築が必須であり,そのための時間が相応必要とされたことも理由の一つである。 最後に一般化を目的とした労働者に対する質問紙調査で設定する概念変数の検討が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究が目的としている日本型人事管理と人材の多様性との関係を明らかにすることに向け,1)既存の調査データを利用した分析と論文化の展開,2)新たな調査企業との調査およびデータ収集・構築と分析の2つの柱を推進していく。1)に関しては,本年度に構築した2社の人事データの分析作業,および企業調査データの分析,公開された二次データの分析,およびそれらの論文化への展開である。学会報告の他,関連する学術雑誌への投稿を予定している。2)については,製造業企業の人事担当者と調査に向けたすり合わせ作業とデータの収集分析,および労働者に対する質問紙調査の実施と分析を進め,論文化作業を進める。
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Causes of Carryover |
予定していた分析結果の一般化を目的とした労働者に対する質問紙調査において,概念変数の検討が残されていたため,本年度に予定していた調査を次年度に変更した次第である。 本年度はその概念変数を決定し,具体的な質問項目の作成,webサーベイを通じた労働者調査の実施を行う予定である。
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Research Products
(1 results)