2021 Fiscal Year Research-status Report
ブランド・スイッチ要因とロイヤルティ要因の包括的研究
Project/Area Number |
17K13807
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
八島 明朗 専修大学, 商学部, 准教授 (30583223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ブランドスイッチ / 電力自由化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では家庭向け電気サービスを対象として消費者のブランド選択の要因を検証および構造の特定を目的としている。またサービスのバンドルに着目した研究を進めている。 研究は複数の消費者に対するアンケート結果を統計的に分析することで進めている。 また、サービスバンドルにおけるブランドスイッチの要因の検証とブランドスイッチ構造の特定化という複数の視点の研究を並行して進めている。 第一にブランド選択の要因についてはこれまでの研究成果を整理しつつ最終的な調査を行う準備を行った。その過程でブランド選択の要因についてブランドに対する評価と、ブランドの特徴を分離してこれまでの調査結果から整理し研究を再構築することになった。ブランドに対する評価としては満足度、知覚スイッチングコスト、ブランドの特徴としては電気サービスとバンドリングするサービスの類似性を主に対象とすることになった。 第二にブランドスイッチ構造の特定化についてはこれまでの調査結果をまとめて論文「契約中ブランドと乗り換え候補ブランドに対する態度を考慮したブランドスイッチ要因の検証」にまとめた。従来のロイヤルティに関するモデル研究において指示されてきた契約中ブランド要因とロイヤルティ/ブランドスイッチの意図の間の関係が繰り返し検証されてきたが、本研究の結果ブランドスイッチを考慮した場合、契約中ブランドへの評価よりもブランドスイッチ先に対する評価の方がブランドスイッチに影響を与える点を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度、最終的なアンケ-ト調査を実施する予定であり、そのための準備を進めていた。研究では家庭向け電気サービスのブランドスイッチについて質問紙実験の手法を使い、消費者に対してスクリーニングを行った上で本調査を行う予定であった。 ところが調査の準備段階において電気料金の上昇が発生した。実際の電気料金の大幅な変動は本研究におけるアンケート調査のシナリオに対する印象に影響を与えると考えられその結果調査結果に影響を与える可能性があると判断したため、ある程度電気料金が落ち着くことを期待し、とりあえず様子を見て調査を年度内の範囲で延期することとした。 しかしながら、年度末に近い時期にロシアによるウクライナ侵攻によって、エネルギー価格および電気料金の上昇傾向、高騰傾向続くことになり、最終的に今年度の調査を断念したものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度実施できなかったアンケート調査研究を実施し、その上で研究結果をまとめていく予定である。 アンケート調査研究では主に家庭向け電気サービスにおけるブランドスイッチについて電気とバンドルするサービスの特徴の違いによる、ブランドスイッチ意向の違いを計測する調査を行う予定である。具体的にはサービスの類似性について段階を設けて複数のブランドスイッチ先を設定し、ブランドスイッチ先に対する評価を比較検討する。 その調査結果に基づき、ブランドスイッチ要因に関する研究成果を過去の調査結果も合わせて分析を行い結論を出す予定である。 また前年度の成果に加えて、モデル構造の研究にも着手する予定である。
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Causes of Carryover |
主たる研究費使用用途であるアンケート調査委託費用が発生しなかったため。 次年度においてはアンケート調査委託費用によって残額を使用する予定である。
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