2017 Fiscal Year Research-status Report
三相データのクラスタリングを利用したプリファレンスマッピング法の研究開発
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17K13812
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
橋本 翔 関西学院大学, 理工学部, 助教 (80756700)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「複数のユーザが複数の製品を複数の評価項目で判定した」というデータから消費者のニーズをより詳細に探索するために,本研究では,ユーザの潜在クラスタの推定と,クラスタ・評価項目・評価対象のマッピングを同時に行うプリファレンスマッピング技術の開発を目的に,(1)クラスタリングを伴う3相主成分分析法の研究開発を行い,(2) ユーザクラスタの特徴を表現可能なプリファレンスマッピング法の研究開発を行い,(3)実データを分析することで開発した各手法の現実場面での適用可能性を検証する.というものである。 2017年年度まずデータに存在するクラスタ構造を探索するため,クラスタリングを伴う3相主成分分析法を開発した.3相主成分分析の理論についての情報収集を行い、3相クラスタリングを体系化し、新規モデルクラスタの存在を仮定した3相データの数理的性質を調査することでデータ発生モデルを開発し,それに準じたパラメータ推定法の開発とその検証を行った. 具体的には、2相データにおけるクラスタリングと次元縮約の同時手法についての情報収集を行い、マーケティングの上での利用可能性について吟味した。また、2相データのクラスタリングにおいて、すでに有効性が報告されているSubspace K-means アルゴリズムの3相データへの拡張を行った。誤差条件を変化させた数値シミュレーションの結果、本研究の過程で行った拡張の成果について、有用性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に行うこととして計画していたのは,クラスタリングを伴う3相主成分分析法を開発することであり,クラスタの存在を仮定した3相データの数理的性質を調査することでデータ発生モデルを開発し,それに準じたパラメータ推定法の開発とその検証を行うことであった. 現在までの進捗として,クラスタ構造を持つ3相データ構造の数理的性質を調査し,特に,reduced-kmeansなどのクラスタリングを伴う2相主成分分析の拡張可能性について判断した. また,潜在的なクラスタ構造が存在する3相データの発生モデルを開発し,i番目の個人が各製品を各評価項目で評価したデータ行列がクラスタ構造を持つデータ発生モデルから発生していると仮定したときに,個人と製品と評価項目の特徴を表す各パラメータが個人の所属するクラスタ毎に異なることを仮定し,これらに対しreduced-kmeansを拡張することで,データ発生モデルを開発することであった. これらの研究成果はすでに日本分類学会第36回大会にて報告されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画に従い、分析手法を応用することで,各クラスタの特徴を二次元平面上に描画するプリファレンスマッピング技術を研究開発し,その実証評価を行う.まず,クラスタ特性を表現可能なプリファレンスマッピング法について,平面上でクラスタ特徴を表現する手法を開発し,コンピュータ上で実装する.そして,研究開発したプリファレンスマッピング法の実場面における適用可能性について実際の製品評価データを収集し,開発したマッピング技術による分析結果から得られる解釈と従クラスタの特徴を記述するための数理的アルゴリズムの開発を行い,開発したマッピング手法をデータ解析プログラムとしてコンピュータ上で実現する. まず,クラスタの特徴を平面上で記述するために,3相主成分分析で推定した平面上での各クラスタ特性を各クラスタの特徴量とする.最後に,解析からマッピングまでのプロセスを,フリーの統計解析環境R上のプログラムとして開発・実装する.従来の知見とを照らし合わせることで,開発した手法の妥当性を判断する. その後,製品評価データの収集及び分析を行い,分析結果から得られる解釈と既存の知見とを照合し,手法の妥当性を判断する.まずデータを取得するためのアンケートを作成するために,事前のインタビューおよび予備アンケートを行う.このとき最終的に分析の妥当性の判断が行えるよう,対象とする製品ジャンルや使用する評価項目の探索には研究協力企業に協力していただく.次に,年代・性別など,製品に対する既存の知見と照合させうる個人属性項目を含んだアンケートを作成し,調査会社に依頼することで大規模データを取得する.最後に,得られたデータを開発するマッピング手法を用いて分析し,研究協力企業の持つユーザクラスタの既存の知見が開発する手法からも得られることを確認し,本研究の有用性と適用範囲を明らかにする.
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Causes of Carryover |
情報収集のため,研究集会などに積極的に足を運ぶ予定であったが,所属における本務の状況から,当初予定していた研究集会(計算機統計学会・行動計量学会・統計関連学会連合大会など)に参加することができなかったため.本年度では、数理モデルからプリファレンスマップを開発する研究を行うことを計画しているが、予定よりもより積極的に情報収集・学会参加を行う。
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Research Products
(3 results)