2017 Fiscal Year Research-status Report
リーダーシップタイプに応じた管理会計システムの構築と利用が組織業績に与える影響
Project/Area Number |
17K13829
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山根 里香 東京理科大学, 経営学部経営学科, 准教授 (60530110)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リーダーシップタイプ / マネジメント・コントロール / 管理会計システム / 変革型リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織におけるリーダーシップタイプに応じた管理会計システムの機能を解明し、組織業績の向上に結び付く管理会計システムの構築・利用における課題を明らかにすることにある。具体的には、第一に、リーダーシップタイプに応じた管理会計システムの構築・利用のプロセスの解明、第二に、管理会計システムの機能の促進・阻害要因の解明、第三に、リーダーシップタイプに応じた管理会計システムの利用による組織業績への貢献の解明を課題としている。本年度は、特に第一の課題についてリーダーシップに関連する先行研究の収集と整理を中心に行った。
リーダーシップ分野での研究蓄積を援用し、管理会計システムとの関連性についてその概念整理を行った。管理会計分野においても、リーダーシップタイプがコントロール・システムの選択や組織業績に影響を及ぼすことは指摘されている。Nguyen et al. (2017)の研究において、リーダーシップタイプとコントロール・システムの選択については検証が行われているが、依然として、コントロール・システムの利用と組織業績との関係については明らかにされていない。
また、昨今のリーダーシップ研究では変革型リーダーシップが注目されている。日本企業においても同様のリーダーシップタイプが適合しうるのか、企業文化や組織が置かれている事業環境の影響も検討する必要がある。またそれらの要因が、リーダーシップタイプとコントロール・システムの利用形態の関係に及ぼす影響についても検討する必要がある。引き続き、これらの点に注目しサーベイを実施し、概念枠組みの整理を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、先行研究のサーベイと事例調査の実施を計画した。
リーダーシップ論の変遷の確認、並びに管理会計システムにおけるリーダーシップの機能について言及した論文の精査に時間を要した。管理会計分野におけるリーダーシップ研究の知見の取入れは始まったばかりであり、管理会計システムの構築・運用との整合性を考えるうえで慎重な検討が必要である。
本年度のサーベイを通じて整理された概念枠組みに基づき、事例調査の計画を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、事例調査の実施並びに、概念枠組みの見直しに着手する予定である。また、事例調査の結果を受けt、質問票を作成し、プレテストの実施と質問票の再構成までを予定している。
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Causes of Carryover |
(理由) 企業調査の訪問計画が、先方との調整の結果、次年度に持ち越しとなったため。 (使用計画) 次年度に、追加の調査並びに新規の調査を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)