2020 Fiscal Year Annual Research Report
An investigation of the evolution and the diversity of accounting systems based on a comparative institutional analysis: focusing on the case of China
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17K13837
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
苗 馨允 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 講師 (60749414)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際財務報告基準(IFRS) / コンバージェンス / 任意適用 / 強制適用 / 制度の補完性 / 公正価値会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は比較制度分析という理論に基づき,中国会計制度とIFRS とのコンバージェンスを達成するための一連の改革,及び中国固有の周辺制度とアングロ・アメリカン会計モデルとの摺り合わせを解明することである。最終年度に実施した研究の成果及び研究期間全体を通じて実施した研究の成果は次のとおりである。 (1)Gernon and Wallace[1995]のアカウンティング・エコロジー・フレームワークを援用し,社会的,組織的,専門的,政治的,会計的文脈に沿って,中国会計環境の主な特徴を解明した。(2)中国における公正価値会計の導入に焦点を合わせて,公正価値の採用を促進または阻害してきた環境的要因を明らかにした。(3)Harrison and McKinnon[1986]の会計変化フレームワーク(accounting change framework)を援用し,1979年以降,中国会計制度とIFRSとのコンバージェンスのプロセスを4段階に分けて考察した。(4)中国におけるリース会計の1978年から2006年にかけての変遷を3つの段階に分けて考察した。これらの研究成果は数本の学術論文にまとめ,国内外の学術誌に投稿した。 中国における会計基準の国際化に関する研究に加えて,日本とオーストラリアにおけるIFRSの任意または強制適用による影響を解明するための分析を行った。最終年度にこれらの分析を総括し,著書の一部として研究成果を公表した。 かかる研究は,会計制度の経路依存性,諸制度間の相互依存性,IFRS を個別の国,特に移行経済へ導入することの複雑さ,IFRS適用に伴うコンフリクト,及び会計システムの多様性を理解する上での手掛かりとなると思われる。
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