2019 Fiscal Year Research-status Report
ミクロデータを用いた入職経路の効果に関する比較分析
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17K13840
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福井 康貴 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20712839)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 経済社会学 / 社会階層論 / 転職 / 入職経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、経済社会学と社会階層論の立場から、日本の外部労働市場における入職経路の機能を多角的・多層的に明らかにし、再チャレンジが容易な外部労働市場の設計に対して有用な学術的知見を提供することである。 以上の目的を達成するため、平成31年度は(1)「雇用動向調査」個票データの集計作業、(2)社会ネットワークと転職成果に関して社会学の先行研究レビューを行った. (1)に関しては,いくつかの年度については統計ソフトウェアで分析可能な形式に整理ができたため、集計作業を行った。現在は個人ウェブページでの公開や学会報告に向けた準備を行っているところである。 (2)については、社会ネットワークや社会関係資本の因果効果を問う2000年代半ばの研究(Ted Mouw,Valery Yakubovich)以降,理論や分析手法におけるブレイクスルーは起きておらず,大部分はさまざまな地域や集団の転職結果をクロスセクション・データを用いて調べるタイプの研究であること、国外の研究ではフォーマルな入職経路(公共職業紹介等)と社会ネットワークの比較という視点はポピュラーではないこと等が明らかになった。近年の傾向としてビジネスSNS(LinkedIn等)やクラウドソーシングといったオンライン・ジョブ・マッチングの研究が現れはじめていることも指摘できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「雇用動向調査」個票データの分析に移行するまでに遅れが生じたことや,国際学会報告や学術論文掲載に至らない状態であることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間を1年延長したので、これまでの分析を精緻化し、国内学会報告や学術論文執筆に向けて準備を進める。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況から判断して国際学会への参加を見送らざるを得なかったため旅費に残額が生じた。2020年度はCOVID-19の影響もあり国内学会参加を中心とするため、旅費の一部は物品費として使用する予定である。
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