2019 Fiscal Year Research-status Report
災害復興下の被災地のコミュニティレジリエンス醸成に向けた研究―復興通貨を事例に
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17K13856
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中里 裕美 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (20555586)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コミュニティレジリエンス / 復興通貨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの目的は、東日本大震災の発生から6年が経過するなか、近年様々な領域において関心が高まっている「コミュニティレジリエンス(=CR)」の概念に着目し、その欧米における研究の現状や動向等を調べるとともに、東日本大震災の被災地において取り組まれている「復興応援地域通貨(以下、復興通貨)」活動の実態の把握とこの復興通貨活動がCRの醸成という観点から地域社会にどのような影響を与えるのかという検討を通して、災害復興下の被災地における復興通貨活動の意義や役割について考察することである。 本研究プロジェクトの3年目にあたる2019年度においては、これまでに収集したデータと先行研究の整理をふまえて経験的な分析が行われ、いくつかの成果が発表された。具体的には、まず、昨年度の分析をさらに洗練させた内容が「2019 Voluntary Sector and Volunteering Research Conference」(イギリス・バーミンガム、アストン大学にて開催)において口頭報告として採択された。次いで、この発表をまとめた論文を国際ジャーナル誌に投稿し、R&R (Revise and Resubmit) の結果を受け、現在は査読者のコメントをもとに修正を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトの「研究目的」に沿った形で、代表者は研究協力者とともに、昨年度に実施した釜石市の復興通貨「どうも」の現地調査をふまえてデータの詳細分析とその結果の解釈にかんする検討をさらに進めることができたと考えている。また、その分析結果は、国際学会で報告するとともに、国際ジャーナル誌に投稿し、現時点でR&Rを得られているという点からも一定の成果を得ることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したとおり、研究協力者と共同で国際ジャーナル誌にすでに投稿した論文については、現在、R&R (Revise and Resubmit) の段階である。また、復興通貨活動と地域社会への効果にかんするいくつかの成果論文の投稿についても予定しており、2020年度は、本研究プロジェクトの目的をより精緻に達成するための論文掲載(採択)に向けた論文投稿とその査読対応に努める予定である。
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