2021 Fiscal Year Research-status Report
Social movements and all-party parliamentary groups: Comparative analysis of lobbying strategies
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17K13858
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
原田 峻 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (40733829)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロビイング / 議員連盟 / NPO法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会運動と議員連盟の関係性についての新たな知見の提供と、社会運動の今日的な動態を明らかにすることを目指すものである。この目的のもと、令和3年度は特定非営利活動促進法(NPO法)についての事例分析をさらに深化させて、以下2点の成果を挙げることができた。 (1)令和元年度末に、研究代表者のこれまでの研究および本研究を総合的にまとめた単著『ロビイングの政治社会学』を出版した。令和3年度には、日本NPO学会・地域社会学会から講演会・研究例会で同書についての発表を招待され、同書の内容を広く紹介するとともに、参加者から同書へのコメントを頂戴して本研究の課題や今後の研究方針などを明確にできた。なお地域社会学会研究例会では、同書と地域社会学の接点と示唆について提起して、その内容を『地域社会学会ジャーナル』に執筆した。 (2)NPO法の事例研究についてこれまでとは異なる視点で分析を行い、共著書『社会の解読力<文化編>』に論文「NPOの歴史的位置――NPO法制定・改正過程における主体性の変遷に着目して」を執筆した。NPO法の制定・改正過程における主体性の変遷を紐解くと、「市民」が行う活動、非営利、特定分野、社会貢献、自由、情報公開、宗教・政治活動の一部制限、という7つの特質があり、それぞれの背後に運動と政治のせめぎ合いがあった。また、NPO法の改正過程では、市民・情報公開・活動分野という争点が読み返されて、三者で異なる帰結をたどってきた。こうして明らかになったNPOの重層的な特質と、現場の活動との乖離について問題提起して、NPOの歴史的位置を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度には、当初の研究計画で予定していた超党派議員連盟の活動実態と参加者の把握、およびNPO法以外の個別イシューの分析を進める計画であった。しかしながら、令和2年度に続いて新型コロナウイルス感染症拡大により調査実施が困難となり、業務や生活にも様々な影響を受けたのに加えて、研究代表者の異動も重なり、研究に遅れが生じることとなった。これらについては、補助事業期間を延長し、令和4年度に重点的に取り組んでいく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29~令和3年度の研究成果を踏まえながら、令和4年度は以下の3つの作業を取り組んでいく。 1.超党派議員連盟の活動実態と参加者の把握:新聞記事データベース、全国会議員のホームページ・ブログ、関連する市民団体のホームページ、国会図書館所蔵資料等を収集・閲覧して、議員連盟の争点となっているイシューの傾向を分析する。 2.個別イシューの分析:平成29~令和2年度に明らかにしたNPO法と比較しながら、他のイシューの事例分析を進めていく。 3.イシューの横断分析:上記作業を踏まえて、イシュー横断的に提示できる包括的な知見の整理と、イシュー間の相互作用に関する分析を行う。 これらの作業の進捗に合わせて、引き続き成果の取りまとめと発信をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
令和3年度は令和2年度に続き、新型コロナウイルス感染症の影響などで当初予定していた国際学会での報告やNPO法以外のイシューの国内調査を見送ったことや、学会・研究会がオンライン開催となったことから、旅費・人件費で未使用額が生じた。 そのため補助事業期間を延長し、令和4年度に国内調査を実施して、旅費・人件費および書籍等購入の物品費として残額を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)