2022 Fiscal Year Annual Research Report
Life Course Study of Rural Migrants: Analysis of Recurrent Regional Migration in Late Modernity
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17K13860
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
畑山 直子 日本大学, 文理学部, 研究員 (10732688)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 農山村移住 / 地方移住 / ライフコース / ライフスタイル / 生活史 / 地域おこし / 移住促進事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、農山村移住者のライフコース分析を通じて、後期近代における再帰的な地域移動を実証的に明らかにすることである。具体的には、埼玉県秩父地域で農山村移住者を対象にしたライフコース調査を実施し、農山村移住者のライフコースにおける移住の意味づけを明らかにしていく。 令和4年度はこれまでの調査研究をまとめていくために、以下二点の課題に取り組んだ。第一に、埼玉県秩父地域におけるUIターン者のインタビュー調査を完遂することである。令和2年度はコロナウイルス感染症拡大の影響もあり、移住者への調査が十分に実施できなかったが、今年度は秩父市および横瀬町へのUIターン者へのインタビュー調査を実施することができた。移住までの経緯と移住後の仕事・暮らし(特に社会的ネットワーク)について、ライフヒストリーデータを収集し、秩父地域における移住者調査をほぼ完遂することができたといえる。 第二に、移住者の働き方を捉えるために、秩父地域においてコワーキングスペースを経営する会社にヒアリングと現地視察を実施することである。現代の日本では、働き方の一つとしてシェアオフィスやコワーキングスペースの活用、ワーケーションなどがあるが、秩父地域の中にもコワーキングスペースと関連施設である宿泊所ができ、移住者なども活用しているという情報があった。そこで、運営会社を訪問し、コワーキングスペースの立ち上げの経緯や利用者の特徴についてヒアリングを行うとともに、現地視察を行ってコワーキングスペースでの仕事環境や生活環境を見学することができた。 以上の令和4年度の課題の実施ならびに研究期間全体を通して行った秩父地域への移住者・関係者への13件のインタビュー・ヒアリングから、移住者の仕事・働き方について選択肢が増えてきたこと、また秩父地域の移住者や関係人口の増加により、移住者の社会的ネットワークが広がったことを明らかにした。
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