2017 Fiscal Year Research-status Report
参加型調査によるセルフアドボカシー促進要因の解明に関する研究
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17K13868
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森地 徹 筑波大学, 人間系, 助教 (50439022)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セルフアドボカシー / 参加型アクションリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、知的障害当事者の参加による参加型アクションリサーチの実施を通して、セルフアドボカシーを当事者主体で進めるために必要となる条件、受けるべき支援の性質、展開の手順や留意点、活動において考慮されるべき点を明確にし、そのことを踏まえて知的障害当事者主体によるあるべきセルフアドボカシーの展開方法について知的障害当事者とともに検討を図ったうえでその知見の普及を図ることとした。そしてその際に、調査を通してセルフアドボカシーを当事者主体で進めるための要素を明らかにすることとした。 それらのことを踏まえた上で、平成29年度の研究の成果として、まず、セルフアドボカシーグループの代表者2名に研究協力者として研究に参加してもらい、調査対象地域及び調査項目についての検討を行った。その結果、北海道、青森、福島、茨城(2か所)、埼玉、神奈川、徳島の計8か所において調査を行うこととなった。また、調査項目について、上述の2名に原案を出してもらい、それを踏まえた協議の結果10項目からなる調査項目が定められた。 その上で、セルフアドボカシーグループのとりまとめ組織に研究実施についての了解をいただき、研究倫理審査を踏まえた上で9月23日から2月11日にかけて上述の8か所において52名のセルフアドボカシーのリーダーに対してインタビュー調査を実施した。なお、インタビュー内容については調査対象者の許可を得た上でICレコーダーで録音し、録音データについてはテープ起こしを行い、内容の整理を行った。 その結果、セルフアドボカシーグループのリーダーから、会に入ったきっかけ、会で行っていること、会の実施場所、会における役割、会の活動費、支援者の見つけ方、支援者がいてよかったこと、支援者がいて悪かったこと、会において楽しかったこと、会において困ったことに関しての意見が述べられていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、全国8地域において調査を実施する予定であったが、その半分の4地域での実施にとどまった。しかし、その代わりに4地域の中の8か所で52名分のインタビューデータをえることができた。その点については当初の予想を上回る成果を挙げられたと考える。今後は残り4地域についても調査を実施し、さらなるデータの収集を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象地域である8地域のうち調査未実施の4地域について調査を実施する。その上で、前年度の調査結果とあわせてデータの整理を行い、調査対象者等調査関係者を招集して調査結果に対する意見を募り、適宜内容の見直しを図った上で調査結果を冊子にまとめ、全国のセルフアドボカシーグループに配布することとする。
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Causes of Carryover |
調査のスケジュール調整の関係で次年度送りになった調査対象地域があるため、その際に必要となる旅費等が次年度送りとなった。
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