2019 Fiscal Year Annual Research Report
Systematization of Youth Participation in Foster Care: Pilot Study for Action Research
Project/Area Number |
17K13886
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
永野 咲 昭和女子大学, 人間社会学部, 助教 (10788326)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会的養護 / 当事者参画 / ケアリーヴァー / ユース参画 / 政策参画 / 児童養護施設 / 里親 / フォスターケア |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度であった2019年度には、研究課題1「先進国における当事者参画システムを明らかにする」および研究課題2「先進国における当事者参画のためのプログラムを明らかにする」の実施のために、アメリカ合衆国オレゴン州(FosterClub)およびカリフォルニア州(California Youth Connection)を訪問し、フィールド調査を実施した。また、オーストラリア(CREATE foundation)の代表者を訪問した。 この調査から、政策策定過程への参画において、必要となるトレーニングについてより詳細な情報を得た。今後、これらのツールを日本版にしていくことを検討している。また、政策への参画においては、カリフォルニア州議会との折衝の様子を観察し、直接声を届けるシステマティックな参画の状況を把握した。 1年目に行った海外調査、2年目の国内でのフォーカスグループインタビューと、海外エキスパートの招聘の結果を合わせて、 研究課題3「日本国内における当事者参画・組織化に向けた要件を明らかにする」に取り組んだ。日本における当事者参画を実現するためには、①参画の制度的システム整備、②当事者ユースのトレーニングとデベロップメントのプログラム、③支援者とそのトレーニングについて検討する必要がある。 研究を行ったこの数年間に、「当事者の参画」の推進に向けた動きもみられるようになった一方で、他国の政策策定過程に見られるような、システマティックな参画は行われていない。「意見を聞いた」「出席させた」というレベルの「参画」ではなく、社会的養護を経験した専門家として対等な立場での「真の参画」を目指す必要がある。こうした参画の基盤には、youth DevelopmentやYouth-Adult Partnershipといった参画を支えるための理念やプログラムがあり、これらを取り入れていく必要がある。
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