2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢外国籍住民の集住地域における「多文化共生型相互支援モデル」の構築
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17K13891
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
川端 麗子 (木下麗子) 神戸女子大学, 健康福祉学部, 准教授 (90632373)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 外国籍住民 / 多文化ソーシャルワーク / 民生委員児童委員活動の支障要因 / 多文化共生の地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、外国籍住民の集住地域である大都市A区における民生委員児童委員を対象とした量的調査の分析、多文化共生の拠点づくりに参画した。 調査分析の結果、民生委員活動の支障要因として地域特性が反映された要因が抽出され、回答パターンの特徴を分類したところ2グループに分類された。グループ間で活動支障要因が「高い群」は「低い群」に比べて「外国籍住民への関わり度」の「3割以上」が多かった。これらの結果から「多文化共生の地域づくり」を視点とした民生委員活動の展開の必要性を示した。 当初の計画から、調査対象者を外国籍住民当事者から民生委員に変更したのは、本研究が目指す「多文化共生型相互支援モデル」の構築において、住民同士の支え合いのシステムを活用する地域活動の重要性に着目したためである。民生委員制度には国籍条項があり、このような制度的障壁が、外国籍住民の集住地域における地域活動に及ぼす影響を明らかにすることも必要となる。 また、A区では市民主導の多文化共生を推進するプラットフォームづくりが進められている。外国ルーツ住民への支援活動等に従事するメンバーが中心となっており、そのメンバーらとともに活動に参画している。シンポジウムの開催等を通じて、関係機関とのネットワークづくりが進められている。多様な外国ルーツの住民の生活課題を把握する調査については、活動の中でインタビュ―協力者との関係性がつくられつつあり、一部のインタビュー調査を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
民生委員を対象とした量的調査を実施したが調査分析に長い時間を要した。再分析が必要となり、結果の公表、論文執筆が遅れた。 多様な外国ルーツの住民の生活課題を把握する調査については、多文化共生の拠点づくりの活動の中でインタビュ―協力者との関係性がつくられつつあり、一部のインタビュー調査を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進に向けては以下を行う。 1.調査結果の公表(調査報告書作成、論文投稿、学会発表等) 2.調査協力者らへのフィードバック(シンポジウムの開催等) 3.多文化共生の拠点づくりへの参画 上記を通して、研究フィールドである外国籍住民の集住地域において「多文化共生の地域づくり」の推進に活用できる地域活動のあり方について提言を行う。
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Causes of Carryover |
量的調査については再分析が必要となり結果の公表に至らなかったため、次年度には結果の公表に係る経費として使用予定である。 インタビュー調査については、次なる研究においても継続して実施するために中間まとめをする。
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Remarks |
・神戸女子大学健康福祉学部社会福祉学科川端研究室(2019)「民生委員・児童委員活動および多文化共生の地域づくりの課題に関する調査」報告書vol.2
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