2018 Fiscal Year Research-status Report
日本とデンマークにおける子どもを主体とした親支援の実践に関する研究
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17K13892
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 桃子 島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (10792971)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 親支援 / 社会的養護 / デンマーク / 地域福祉 / ファミリーグループカンファレンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、社会的養護のもとに暮らす等、困難な状況に置かれた子どもたちの家庭への支援について、日本とデンマークにおける事例をもとに研究を行っている。特にデンマークのファミリーグループカンファレンスなど、家族を支援する実践に注目し、その中で子ども本人が子どもの権利の視点からどのように位置づけられているのかを明らかにする。また、「地域の中の家族の中の子どもを支援する」という視点から、子どもや子育て家庭を支援する際の地域社会の役割を明確にすることを目的としている。 平成30年度は研究代表者の所属が変わり島根県に引っ越したため、関西方面で予定していた名張市や大阪市での調査ができなくなったが、以前から続けていた滋賀県でのフィールド調査を継続し、地域社会の中で子どもや子育て世帯を支える仕組みを、子ども食堂や社会的養護の子どもの自立支援の実践を通して明らかにした。その成果は論文「地域社会とともに支える社会的養護の子どもの自立」として『地域福祉研究』に掲載された。 また平成29年度から、「子どもを主体とした」親支援の事例としてファミリーグループカンファレンスの実践を取り上げ、デンマークでのファミリーグループカンファレンス実践について、ソーシャルワーカーなどの支援者を中心にインタビュー調査を行っていた。平成30年度はこれらデンマークでの調査結果を分析した結果を、日本地域福祉学会(2018年6月 静岡福祉大学)や日本子ども虐待防止学会(2018年12月 川崎医療福祉大学)で口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年4月より研究代表者の所属が変わり、当初の研究計画で予定されていた関西方面での調査継続は難しくなったが、これまでの滋賀県での研究蓄積をもとに成果発表を行っている。デンマーク調査の成果発表については学会発表を中心に行っているが、今後継続して成果発表を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、子どもを中心においた地域社会での支援ということに特に注目して、滋賀県の子ども食堂などについての研究成果を発表してきた。平成31年度は特に、デンマークのFGC実践についてより進んだ分析を行い成果発表を行うとともに、それを今後の研究としてどう発展させていくか、デンマークの研究者や実践者とのミーティングを踏まえて計画を立てていく予定である。
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