2018 Fiscal Year Research-status Report
ストレングス‐パワー変容を志向した相談援助実習指導・現場実習教育方法の研究
Project/Area Number |
17K13893
|
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
山口 真里 広島国際大学, 医療福祉学部, 准教授 (70441566)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ストレングス‐パワー変容 / 相談援助実習指導・相談援助実習 / コンピテンス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、先行研究によるストレングス、パワー、コンピテンスの関係性を整理し、①実習生のストレングス‐パワー変容過程の考察を行った。実習生のストレングス‐パワー変容を意識した実習教育の現状を理解するため、②相談援助実習指導・相談援助実習担当教員へのヒアリング調査の準備、③ヒアリング調査の実施、を行った。 ①については、まず実習生の実習前・実習中・実習後の過程とストレングス‐パワー変容過程を照らし合わせた。具体的には、実習前・実習中・実習後の教育内容をストレングス‐パワー変容過程の「ストレングスの意識化」「ストレングスの焦点化」「ストレングスの行動化(パワーへの変容・発揮)」「パワーの確認・評価」「パワーの維持・移行」の局面に置き換えて、そこでの教員と実習生の関わりについて考察した。また②については、実習前・中・後の教員から実習生へのストレングスを意識した働きかけについてヒアリングできるように質問項目ほか同意書や誓約書等の調査関連書類を作成し、倫理審査申請を行った。次に③については、相談援助実習指導・相談援助実習を担当している4年制大学教員にヒアリング調査を実施した。その結果、1)相談援助実習指導の開講年次や相談援助実習の開講年次など各大学における教育カリキュラムが実習生との信頼関係の構築や実習へのモチベーションに影響を与える可能性があること、2)実習生の個別状況のアセスメントについては、実習指導担当教員が会議や個別面談で行っていること、などが理解できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度当初の計画では、相談援助実習指導・相談援助実習担当教員に①ストレングスに着目した教育方法のヒアリング調査の実施、②データ入力等の資料整理、③相談援助実習指導・相談援助実習における実習生のストレングス‐パワー変容過程の仮説の提示、④実習生のストレングス‐パワー変容過程を志向した相談援助実習指導・実習教育方法の試論の提示、を行う予定であった。しかし7月の西日本豪雨災害の影響により、ヒアリング調査の実施など研究を円滑に推進することができず、予定を大幅に変更する必要が生じたため、研究が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、①ストレングスに着目した教育方法のヒアリング調査の実施、②データ入力等の資料整理、③相談援助実習指導・相談援助実習における実習生のストレングス‐パワー変容過程の仮説の提示、④実習生のストレングス‐パワー変容過程を志向した相談援助実習指導・実習教育方法の試論の提示、④ストレングス‐パワー変容を志向した教育の実践、⑤実践効果の検証、を行いたい。
|
Causes of Carryover |
西日本豪雨災害等による研究の停滞により、ヒアリング調査の準備やヒアリング調査の実施を十分に遂行できなかったため、次年度使用額が生じた。その費用は、依頼予定であった相談援助実習指導・相談援助実習担当教員へのヒアリング調査の実施に活用する。
|