2020 Fiscal Year Research-status Report
ストレングス‐パワー変容を志向した相談援助実習指導・現場実習教育方法の研究
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17K13893
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
山口 真里 広島国際大学, 健康科学部, 准教授 (70441566)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ストレングス-パワー変容 / 相談援助実習指導・相談援助実習 / コンピテンス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、当初①ストレングス、パワー、コンピテンスの関係性の整理、②相談援助実習指導・相談援助実習の担当教員へのヒアリング調査の実施、③データ入力等の資料整理、④相談援助実習における実習生のストレングス-パワー変容過程の仮説の提示、⑤実習生のストレングス-パワー変容過程を志向した相談援助実習指導・実習教育方法の試論の提示、を実施予定であった。しかし新型コロナウィルス感染症感染拡大の影響により、学会への出張も中止することになった。また相談援助実習指導・相談援助実習の担当教員へのヒアリング調査も中止せざるを得ない状況であった。 そのため今年度は、前年度に引き続き①ストレングス、パワー、コンピテンスの関係性の整理を行った。特にコンピテンスについては、以前行った実習生へのグループインタビューをもとに、他の研究者と共同で論文をまとめた。グループインタビューでは、実習生が実習体験を大学で学んできた理論と結び付けて語っていること、実習を通じて将来のソーシャルワーカー像や進路を具体化することができていること、そのほか相談援助実習指導・相談援助実習の教育課題が明らかになった。また相談援助実習前・中・後の教育をつうじて、実習生が専門職としてのコンピテンシーと生活者としてのコンピテンスを培っていることがわかった。さらに実習生が実習体験を振り返り、意味づけできる語りをするためには、実習生の文脈を理解しながら教員が語りを促すかかわりを行うプロセスが重要であることを強調している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、新型コロナウィルス感染症感染拡大の影響により、学会への出張を中止することになったり、相談援助実習指導・相談援助実習の担当教員へのヒアリング調査も中止せざるを得ない状況であった。また在宅勤務による教育研究環境の整備にも時間がかかり、研究環境は万全とは言えない状況であった。 さらに教育面の業務では、オンライン講義への切り替え、実習先の変更や実習先への対応などの事務作業、学内実習への対応などで多忙を極めた。そのため本研究は、当初の計画より大幅に遅れている状況が続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症感染拡大の影響が継続することを考慮すると、研究計画を大幅に縮小して進めていく必要がある。 そのため、①ストレングス、パワー、コンピテンスの関係性の整理、②相談援助実習指導・相談援助実習の担当教員へのヒアリング調査の実施、③データ入力等の資料整理、④相談援助実習における実習生のストレングス-パワー変容過程の仮説の提示、を目標に研究を推進していく。ただし②については、対面での調査が困難な場合が想定されるため、適宜オンラインでのヒアリング調査への切り替えについても検討していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症感染拡大の影響により、学会出張の中止、相談援助実習指導・相談援助実習担当教員へのヒアリング調査実施の中止、研究の停滞があったため、次年度使用額が生じた。その費用は、国内外の文献収集やデータ整理、オンラインでのヒアリング調査実施となった際の必要機器の整備等に活用する。
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