2017 Fiscal Year Research-status Report
Development and neuroendocrinological basis of indirect reciprocity
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17K13906
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 助教 (90709370)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 互恵性 / 利他性 / 子ども / 経済ゲーム / 間接互恵生 |
Outline of Annual Research Achievements |
5歳児において間接互恵性が成立することを示すために、まず本研究では5歳児における他者の行動の評価とそれに基づいた利他行動を測定した。これまでの間接互恵性の理論研究によって、間接互恵性が成立するためには、良い評判を持つ人へ利他的に振る舞う者は良い人と見なすこと、悪い評判を持つ人へ利他的に振る舞う者は悪い人とみなすこと、悪い評判を持つ人へ利己的に振る舞う者は良い人と見なすことという選別戦略を人々が採用することが重要であることが明らかになっている。本研究では理論的な予測と同様の行動傾向が5歳児で見られるかどうかを検討した。 本年度は45名の未就学児(5歳児クラス25名、3歳児クラス20名)が実験に参加した。未就学児は、サンタクロース(良い人)へお菓子を渡す登場人物(Good/Give条件)、どろぼう(悪い人)へお菓子を渡す登場人物(Bad/Give条件)、サンタクロース(良い人)のお菓子を盗む登場人物(Good/Take条件)、どろぼうのお菓子を盗む登場人物(Bad/Take条件)の4名それぞれに対して10枚のコインチョコレートを自身との間でどのように分配するかを決めた。また誤信念課題を行うことで未就学児の心の理論の発達を調べた。 Good/Give条件とBad/Give条件における利他行動を比較したところ、条件×性別×学年の交互作用効果が見られた。学年別に分析を行ったところ、5歳児クラスにおいては条件×性別の交互作用効果が有意傾向で見られたが、3歳児クラスにおいてはいずれの効果も見られなかった。一方でGood/Take条件とBad/Take条件における利他行動を比較したところ、学年の主効果のみが見られた。 現在は、心の理論の成績を含めたより詳細な分析を行っており、5歳児における関節互恵行動の特徴について明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画されていた実験は無事に終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
二年目の前半までに唾液中オキシトシン濃度の測定法についてプロトコルを確立し、後半に実験を実施する。
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Causes of Carryover |
平成30年で用いる試薬を購入する時期が遅れたため。
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