2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and neuroendocrinological basis of indirect reciprocity
Project/Area Number |
17K13906
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (90709370)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オキシトシン / 信頼 / 互恵性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は互恵行動とオキシトシンの関連を検討することであった。大学生121名を対象に信頼ゲーム、質問紙の配布、唾液の採取を行った。信頼ゲームでは参加者はまず第一プレイヤー(信頼行動を測定)を行い、その後相手を変えて第二プレイヤー(互恵行動を測定)を行った。第二プレイヤーの行動はstrategy methodを用いて第一プレイヤーが選択することができるすべての決定に対してどのように振る舞うかを測定した。ゲームは二回行い終了した。質問紙は社会的価値志向性尺度(SVO)を用い、唾液は信頼ゲームの前に1.5 mL採取した。採取された唾液は一晩凍結乾燥し4倍に濃縮した後、ELISAにより唾液中オキシトシン濃度を解析した。 実験の結果、信頼行動は唾液中オキシトシン濃度との関連は見られなかったが、互恵行動は唾液中オキシトシン濃度との関連がみられた。具体的には社会的価値志向性尺度(SVO)でpro-socialに分類された人は、唾液中オキシトシン濃度が高い人ほど相手が自分を信頼してくれなかった場合にお返しをしないという結果がみられた。社会的価値志向性尺度でpro-selfに分類された人では唾液中オキシトシン濃度と互恵行動の関連は見られなかった。本研究の結果は、オキシトシンはpro-socialな人においては互恵行動を調節する働きを持つことを示している。また唾液からオキシトシン濃度を測定する方法の妥当性が示された。 全体として心の理論の発達と互恵行動は関連を示さなかったが(前年度の実験)、オキシトシンは向社会性のあるタイプ(pro-social)においては互恵行動に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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