2019 Fiscal Year Research-status Report
物語接触が関連行動を生じさせるメカニズムの解明-空想による抑制効果に注目した検討
Project/Area Number |
17K13908
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
小森 めぐみ 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (40706941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 物語 / 空想 / 同一視 / 移入 / 自己制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は1件の論文が公刊され、1件の論文が審査中である。また、本研究に関連するテーマの学術書の担当章の執筆が完了し、来年度に出版される予定である。その他、物語説得の研究者がもっとも多く集まるコミュニケーション関連の国際学会(International Communication Association 69th annual conference)に参加し、多くの先生方と研究について議論した。 公刊された論文は、物語への移入(物語接触によって生じる空想の類似概念)がもたらす影響について実施した質問紙実験の研究結果であり、矛盾するメッセージをほのめかす複数の物語に移入した場合にどのような形で意見変容が生じるかを検討するものだった。本研究では関連行動は測定しなかったが、物語接触における空想の生起と物語内容から構築される態度の不安定さの関連を示した。本研究の結果より、物語接触によって生じた空想の強さが関連行動が持続できない原因の一つとなりえることが指摘できる。 投稿中の論文は、2018年度に行った動画を用いた試験勉強を用いた準実験であった。この研究では、大学卒業が決定したことが判明するエピソードを実況中継した動画を視聴させて登場人物に対する同一視の程度と試験に対する動機づけや小テストのパフォーマンス等との関連を検討したもので、空想による行動の抑制効果は見られなかった。また、学術書担当章では物語への没頭の概念について一般向けに解説し、関連行動の生起についても関連研究を紹介した。 研究実施や学会発表はこれ以外にも予定していたが、一身上の都合により後学期に休職したため、実施できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一身上の都合により後学期に休職したため、予定していた研究の実施や学会発表、論文の執筆投稿作業が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に実施した片付け行動の研究では参加者が十分に集められなかったので、募集方法を変えて再度検討する。また、同年に実施したセキュリティ対策行動の研究については論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
妊娠・出産のため後学期に休職した。残額は昨年度に実施できなかった研究実施と論文投稿に使用する予定である。
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