2021 Fiscal Year Annual Research Report
The inhibitory effect of positive fantasy through narrative exposure on story related behavior
Project/Area Number |
17K13908
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
小森 めぐみ 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (40706941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 物語説得 / 心的対比 / 片づけ行動 / 登場人物との同一視 / 物語への移入 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には前年度に実施を予定していた、物語接触が片付け行動に及ぼす影響を心的対比が調整する可能性について検討する実験をプレレジストレーションをしたうえで、ウェブ上で実施した。また、2017年末に実施した実験室実験について論文を投稿し、掲載された。さらに、年度末に行われたアメリカ性格と社会心理学会に参加し、関連する研究のさらなる情報収集に努めた。 実験では、これまで既存のものを利用してきた物語刺激を外注し、実験用に長さや登場人物などを統制した形の刺激を作成した。さらにウェブ調査の特性を生かしてサンプリングのしぼりこみを行い、登場人物と属性が類似している者、片付けに関心があり、部屋が片付いていない者(つまり行動変化の余地がある者)を選抜した。実験計画は物語(あり/なし)×心的対比(あり・なし)の被験者間計画で、事前調査で部屋の状態や移入の個人差について尋ね、本実験では物語呈示と心的対比課題に従事させた。2週間後に事後調査を行い、物語呈示と心的対比の両方があった場合に片付け行動がもっとも促進されるという仮説を検証したが、予定していた分析では、条件間に差が見られず、仮説は支持されなかった。現在、探索的分析として個人差の影響や項目をしぼった分析を実施している。 投稿した論文は2017年に実施した、物語形式と非物語形式のテキストへの接触が2週間後までの片付け行動に及ぼす影響を短大生をサンプルとして検討した実験室実験であった。テキストにまったく接触しない統制条件と比べて、非物語形式のテキストに接触した条件では片付け行動が増加していたが、物語接触条件はいずれの条件とも有意な差は見られなかった。
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