2020 Fiscal Year Research-status Report
合理的配慮に向けたレディネス形成のための発達障害理解教育モデルの開発
Project/Area Number |
17K13913
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西館 有沙 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (20447650)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 発達障害 / 障害理解 / 教育モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
教育モデルの開発が本研究の最終目標であるが、昨年度は新型コロナウイルスの影響により小学校や中学校、高等学校における教育実践が厳しい状況にあったため、対面授業が再開された時期に大学生を対象とした教育モデルを作成し、実践と効果の検証を行った。今年度は、その結果をふまえ、小学校や中学校、高等学校における教育モデルの作成とその効果検証を行いたいと考えていたものの、新型コロナウイルスの影響が長引く中で、教育の実践は叶わなかった。 そのため、今年度は発達障害理解教育に関するこれまでの文献を整理し、そこから得られた知見をもとに教育モデルの作成を進めた。また、外見ではわかりにくい障害や疾患のある者に対する他者の態度や行動を把握し、教育の内容や方法の検討を進めるために、ヘルプマーク掲示者に対する他者の反応や態度を明らかにすることを目的として、ヘルプマークを使用する当事者のブログ記事の収集と分析を行った。人との接触を避けつつ研究を進める必要がある中で、当初の計画にはない研究に取り組んだ次第である。 とはいえ、教育モデルの開発に必要な教育の実践や効果検証を行うことはできていないことに変わりない。そのため、さらなる延長申請を行った。結果、延長申請が認められたため、今後はオンラインでの教育実践も視野に入れて、学校の協力を得られるように交渉を進めていくことを考えている。また、教育実践と効果検証以外の方法により研究を進めることも検討したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響が長引くなかで昨年度に引き続き、教育モデルの実践と効果検証の予定が立たない状況が続いた。勤務する県内においては新型コロナウイルスの感染者数が落ち着いた時期もあったが、コロナにより影響を受けた通常の教育課程への対応を優先すべきであるという判断により、研究協力の依頼は控えた。次年度は、教育実践と効果検証という方法以外に、教育モデルを提示できるような方法も模索しつつ、研究を少しずつでも進めたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
小学校や中学校、高等学校での教育実践については、新型コロナウイルスの感染状況を見極めつつ、実施する方向で検討を進めていきたい。ただし、教育実践の方法についてはオンラインの活用を含め、柔軟に検討することにする。 また、教育実践以外の方法によって教育モデルの開発をしていくことも模索したいと考えている。具体的な現在作成している教育モデルについての専門家評価を実施するなどである。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、学校に赴いて教育実践とその効果検証をすることが叶わなかったため、交通費等の研究にかかる費用が発生しなかった。今年度は教育実践に変わり、ブログ記事の収集や分析等の研究を行ったが、費用のかかる研究ではなかった。これにより、今年度の研究費残額をそのまま次年度に持ち越すこととなった。 次年度は、何らかの形での教育実践とその効果検証を検討しており、この研究に取り組むための交通費や教材の準備等に研究費を使用する予定である。また、教育実践以外の研究方法を模索することも検討しており、たとえば教育モデルに対する専門家評価を実施するなどの研究を実施する場合には、その評価紙の郵送や返送に研究費を使用する。
|