2019 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of the effectiveness of teaching methods to form fluency in computational skills
Project/Area Number |
17K13917
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
尾之上 高哉 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (30631775)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学業スキル / 流暢性 / ブロック練習 / 交互練習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、計算スキル等の学業スキルの流暢性を形成する上で効果のある指導法を検討した。まず、最終年度である、令和1年度の成果について述べる。目標は、平成29年度と30年度にそれぞれ実施した研究の結果を、論文等の形式で整理し、学会や教育現場で発表することであった。具体的な成果として、平成29年度の研究結果について、学術雑誌での発表、及び、教育現場の教員を対象にした発表、の2点を挙げることができる。次に、研究期間全体を通じて実施した研究の成果について述べる。本研究では、学習時の練習問題の構成の仕方に注目し、練習問題の構成の仕方によって、学習の成果(正確性や流暢性の形成)に違いが出るかを検証するための実験を行った。具体的には、練習問題を、交互練習形式(異なる方略を用いる問題を交互に練習する方法)で構成した場合と、ブロック練習形式(同じ方略を用いる問題を連続的に練習する方法)で構成した場合とでは、学習の成果に違いが出るかを調べた。結果は、どちらの年度の実験でも、交互練習形式の方が、ブロック練習形式よりも、学習の成果が高くなることが確認された。つまり、練習問題の構成を工夫するだけで、学習成果に違いが生じることを突き止めることができた。教育や学習では、一般的に、ブロック練習形式が基本になっており、交互練習という発想自体が未だ十分に浸透していないことが指摘されている。それを踏まえると、交互練習形式の学習の効果を明確に提示している本研究の結果には、意義があると言える。本研究の知見を踏まえるならば、例えば、計算スキルの流暢性を形成するための指導では、足し算、引き算、掛け算、割り算、の問題を別々に行う(すなわち、ブロック練習形式でやる)のではなく、可能な限り、異なる方略を交互に使用する交互練習形式で行う方が、学習者に恩恵をもたらす可能性があると言える。
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Research Products
(1 results)