2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Application of an Educational Clinical Psychology Scale from the Perspective of Clinical Importance
Project/Area Number |
17K13922
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
桂川 泰典 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20613863)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臨床的有意性 / 社会情動的スキル / 称賛行動 / 不登校 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校教育臨床に利用可能な臨床的有意性に配慮した測度の作成(妥当性の検証,再検査信頼性の検証),および周辺の心理構成概念との関連を検討した。また,介入を通して予測的な妥当性について検討した。測度の開発においては,客観的で観察可能な事象であること,学校や家庭等の複数の場面で共有できること,教育臨床上の問題と強く結びつくことを重視した。また,教師文化や指導の特性を考慮して,問題や不適応状態への介入だけでなく,教師が子どものポジティブな側面への介入を行った際の指標の変化や教師自身の変化・成長についても介入・検討を行った。これらの介入を通して,教師自身の児童生徒への認知が変化するとともに,ワーク・エンゲイジメントの向上やバーンアウトの予防にも効力をもつという副次的な結果も確認された。 これらの成果をさらに発展させるために学会シンポジウムを開催し,討議を行った。シンポジウムにおいては,学級における臨床的に有意な指導を,子どもたちの社会的態度や対人関係技能の育成,それを支える教師の認識やふるまい,またそれらの保護者側からの理解も含めた多軸的な視点から検討した。 以上の成果は,日本パーソナリティ心理学会第27回大会,日本教育心理学会第61回総会,9th World Congress of Behavioural and Cognitive Therapies 2019等で発表されるとともに,学術誌「学校メンタルへルス」(日本メンタルヘルス学会発行)における刊行を決定している。
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