2017 Fiscal Year Research-status Report
能力発揮促進モデルに基づく発達障害学生支援方法の開発と検討
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17K13935
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 星子 名古屋大学, 学生相談総合センター, 助教 (00608961)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害 / 自閉スペクトラム症 / 能力発揮促進型支援 / 大学院生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、発達障害あるいは発達障害傾向のある大学院生がよりよく能力を発揮するための支援体制をエビデンスに基づいて構築すること、および、そのための実証的データ収集である。 平成29年度は実証的データ収集として、2つの調査および分析を行った。 1つめは、大学院生における発達障害傾向による困り感を測定する尺度の信頼性、妥当性確認である。これまで、発達障害傾向による本人の主観的な困り感を測定する尺度は、高橋(2012)が作成した「統合版困り感尺度」(23項目)が存在するのみであった。これは大学生への実施を想定して作成された尺度であり、大学院生への適用や、大学院生に実施した場合の因子構造、信頼性、妥当性の確認は行われていなかった。そこで、本研究では、大学院生における「統合版困り感尺度」の信頼性、妥当性の確認を目的とした調査を行った。調査の結果、これまで大学生を対象に使用されてきた「統合版困り感尺度」(高橋,2012)において、大学生と大学院生では異なる因子構造を示すことが明らかになり、大学院生においては2因子構造が適当であることが確認された。また、これらの2つの下位尺度はいずれも信頼性が確認された。 2つめは、発達障害傾向と社会的成功との関連およびそれに寄与する要因について、社会人を対象とした調査を行った。この結果は現在分析中である。分析によって、発達障害傾向のある人がよりよく能力を発揮することに寄与している要因や、それを阻害する要因等についてのエビデンスを得る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体制構築のための基礎的調査を行い、おおむね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、調査の結果を分析するとともに、インタビュー、縦断的調査に向けて調査対象者を策定し、インタビュー内容の精査を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、調査の結果分析がやや遅れたため、次年度にインタビュー等による膨大なデータを取得予定であるため、その入力や整理の人件費、そのためのパソコン、記録メディアの購入、成果発表のための旅費等に使用する。
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Research Products
(4 results)