2019 Fiscal Year Research-status Report
能力発揮促進モデルに基づく発達障害学生支援方法の開発と検討
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17K13935
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 星子 名古屋大学, 学生支援センター, 助教 (00608961)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害 / 学生 / 能力発揮促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、発達障害学生の能力発揮促進支援方略を開発することである。 2019年度は、2018年度までに行った学部生に対する調査に加え、大学院生約200名、就労者約800名に対する調査を行った。調査には、発達障害傾向とそれによる困り感と、適応の指標(大学院生では精神的健康、大学適応度、就労者では精神的健康、職場での自己効力感、収入など)を盛り込み、発達障害傾向が高くても、研究や就労の場で適応を可能とする要因はどのようなものかを解析中である。就労者におけるデータ採取は、大学においてどのような準備状態や環境を整えておけば就労の場においても能力が発揮されるのかを横断的に検討する目的である。 なお、この調査を行った際、就労者向けの発達障害関連困り感尺度が存在しなかったため、採取したデータによって信頼性、妥当性の検証を併せて行った。 2018年度までに得た学部生のデータと2019年度に得た大学院生、就労者のデータをあわせ、青年期から成人期にかけての発達障害者の能力発揮促進に関わる要因を分析中である。 また、個別のケース追跡としては、数ケースを追跡中であり、データが蓄積し次第、質的分析やケース報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者の出産、育児休業(約10か月)取得のため、研究が遅れている。また、休業前に追跡していた学生の卒業等により、一旦ケース追跡が途絶えてしまった。このことから、研究期間内に取得可能な質的データの数は大幅に減少する予定であるが、少ないケースの中からエッセンスを抽出できるよう、分析方法等を工夫する。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、質的データの採取可能性が下がったことから、研究期間内に可能な追加データとして、さらなる量的データの採取を計画している。具体的には、学部生、大学院生、就労者と、同じ項目によってデータを採取し、それぞれの段階で、発達障害傾向が高くとも能力を発揮している個人の傾向を探り、介入のターゲットとなる要因を探る。
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Causes of Carryover |
出産・育児休業によって計画に遅れおよび変更が生じたため。2020年度以降、追加調査にかかる調査費用や人件費として使用する。
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Research Products
(1 results)