2022 Fiscal Year Annual Research Report
Future Prospects for Severely Physically Handicapped Siblings with Disabilities :From a family systems perspective
Project/Area Number |
17K13938
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
高野 恵代 愛知淑徳大学, 心理学部, 准教授 (70735274)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 障害者家族 / きょうだい / 家族システム / 老障介護問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,重度肢体不自由児者(以下,障害者)の健常な兄弟姉妹(以下,きょうだい)が障害者の将来をどのように捉えているのか,家族システムの視点から具体化することであった。特に,①親が高齢化し始める青年期きょうだいが,将来的に障害者を支えていく問題についてどのように考え実践しようとしているのか,②父親を含めた家族の関係性がどのようにきょうだいの問題に影響を与えるのかを検討した。 具体的には,家族成員(障害者の父親,母親,きょうだい)の家族システムを検討するため,アンケート調査と家族イメージテスト(FIT)を参加者(家族成員)に実施した。その後,半構造化面接を実施し,過去から現在に至る障害者を取り巻く環境や関係性と,将来的な介護問題について各成員がどのように捉えているかをM-GTAを用いて検討した。なお,新型コロナウイルス感染症の影響で,当初予定していた対象者に協力を得ることが難しく,家族成員が全員参加した家族とそうでない家族を含めて分析対象者とした。 心理検査の結果から,各成員が捉える両親(とくに母親)と同胞の結びつき強さは全ての家族で示されたが,同胞ときょうだい関係の結びつきについては,きょうだいと両親で捉える関係性に違いがみられた。半構造化面接からは,夫婦の結びつきが強い家族ほど,きょうだいの人生を第一に考える姿勢がみられたが,きょうだいは同胞の将来を前向きに受け入れる姿勢がみられた。しかし,どの家族においても同胞の将来に対して不安を感じつつも,問題を先送りしたり,同胞の将来を背負う覚悟を見せるなど揺れる様相が示された。具体的な問題が顕在化する前の青年期きょうだいにおいては,「不安」が生じつつも具体的な対応は共有しないという結果が示されたといえる。この不安を表出,共有することを意識的に避けるか否かが同胞の将来を捉える際の至点となることも明らかになった。
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