2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a mental health promotion program for first-year university students: a systematic review and clinical trial
Project/Area Number |
17K13944
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
入江 智也 北翔大学, 教育文化学部, 講師 (90787730)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大学生 / 精神的健康 / マインドフルネス / 行動活性化 / 心理学的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大学生の精神的健康に関する問題に対応するための知見を得るために,システマティックレビューならびに心理学的介入プログラムの開発と効果検証を行うものであった。 当該年度ではこれまでの年度において明らかにした成果をもとに作成した介入プログラムを実施した。大学生42名を対象に,グループで介入プログラムを実施した。なお,介入プログラムは大学生の精神的健康に関する問題に有効である手段としてこれまでの年度で明らかにした,マインドフルネスストレス低減法と行動活性化療法を組み合わせた介入を行う群と,それぞれ単独で行う群,さらに統制群の4群に参加者を割り付けて実施した。その結果,組み合わせ介入群は他の群と比較して,大学生の精神的健康を広範に改善,促進すること,またその促進効果も大きいことが明らかになった。 以上のことから,多岐にわたる大学生の精神的健康に関する問題に対応するためには,単一の介入方法よりも,幅広く対応可能な複数の介入方法を組み合わせて提供することが望ましいことが示された。 全体の研究期間を通じて,本研究課題は大学生の精神的健康に関する問題に影響を及ぼし得る要因の特定,ならびにその変容を通じて全般的な精神的健康に関する問題を解決する手段の構築を行い,最終的には上述の成果を得た。大学生の精神的健康に関する問題は国際的な課題である中,これまでに系統的な検証がなされてこなかった領域でもある。本研究は,我が国における大学生の精神的健康に関する心理学的支援について,これまでにない一定の知見を示すものであった。一方,本研究課題ではあくまで一般化された手続きであったことから,本研究課題の成果を元に,今後はより効率的に,個人化された手続きの提供を行うための知見を収集することで,各大学における保健管理の現場でより取り入れやすい手段を提供することが可能になると考えられる。
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