2019 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological analysis of bystanders for suicide prevention in young people and development of a program to promote supportive behavior
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17K13946
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 尚 東京大学, 相談支援研究開発センター, 助教 (60735075)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自殺対策 / 青年 / 傍観的心理 / 支援行動 / アート表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2019年度は大きく以下の2つを実施した。 まず1点目は、周囲の希死念慮への若年者の反応と対応に関する質問紙調査の分析と結果公表を行った。具体的には、2018年度に独自に作成し、青年556名に実施した質問紙調査の結果を分析し、現代青年の自殺への態度とその影響因を明らかにした。また、周囲の希死念慮を知った際の青年の行動や対応に影響を及ぼす態度や反応を分析し、支援行動を引き出すために重要な要因を明らかにした。これらの結果は、Asian Journal of Psychiatryや東京大学学生相談所紀要などで公表した(Otsuka et. al., 2020; 大塚, 2019)。 次に2点目は、これまでの調査結果を踏まえて、支援行動促進プログラムを開発していくために、アート表現を用いたグループ活動を実施した。これは、希死念慮等の心理的な危機を経験した青年を対象としたグループで、自身の危機をアートで表現することやそれを他者と共有することの臨床的意義の検証と、その表現作品を鑑賞することによる鑑賞者の情動的反応や支援行動への影響を明らかにすることを目的としたものである。具体的には心理的危機を経験した5名の協力者に、2019年12月から2020年3月にかけてアート表現グループに参加してもらい、様々な表現活動とその共有を実施した。covid-19の影響でグループ最終回及び第三者による鑑賞が延期となったが、参加者の表現活動自体の変化や表現に伴う内的体験の変容のプロセスなどについて、今後結果を整理し公表していくことを予定している。
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