2019 Fiscal Year Research-status Report
強みに基づく認知行動療法のうつ病予防,再発予防における有効性の検証
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17K13955
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
駒沢 あさみ 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 研究員 (40791926)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 強みに基づく認知行動療法 / ストレングス / 強み / レジリエンス / 認知行動療法 / ポジティブ心理学 / うつ病 / 予防的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、強みに焦点を当てた認知行動療法(Strengths-based Cognitive Behavioral Therapy、 SB-CBT; Padesky&Mooney、 2012)の日本版マニュアル、マテリアルを作成し、その安全性、妥当性および、うつ病の予防や再発予防における有効性を検証し、今後予定されるランダム化比較試験の基盤構築を行うことを目的とする。 1年目および2年目は、SB-CBTの開発者であるPadesky博士およびMooney博士と直接面会して研究相談を行い、プログラムの内容や進め方についての助言を得た。マテリアルおよびマニュアルの作成にあたり、強みに関するエクササイズやワークの収集、強みを治療内容の一部に組み込んだ心理療法のレビューを実施した。また、SB-CBTで重視されるポイントを抽出し、そのポイントに沿って収集した内容を組み込み、日本版のSB-CBTのプログラムを構成した。プログラムに沿って、マテリアルを整備し、臨床心理学の専門家の助言を得て改良を加えた。また、うつ病患者の協力を得て、作成したマテリアルを用いた心理面接を試験的に実施し、今後の研究の示唆を得るとともに、マテリアルのさらなる加筆修正を行い、プログラムの改良を行った。 3年目である本年度は、 開発者であるPadesky博士、Mooney博士によるSB-CBTの研修に参加し、最新の情報を収集しながらプログラムの改良を行った。また、 SB-CBTのプロセスや有効性についてより詳細な情報を得て検討するため、研究デザインを当初の計画していた前後比較試験から単一事例研究法に変更した。現在は所属機関の研究倫理委員会の承認を得てリクルートを開始するための準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度報告した通り、SB-CBTのプログラム完成に当初の計画よりも大幅に時間を費やした。また、上記のように、個々の症例から詳細なデータを収集することでプログラムの改良、精緻化していくことが本研究の目的により合致していると判断し、研究デザインを変更した。研究デザインの変更に伴い研究の進行が遅れており、全体の進捗としては「遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長し、所属機関の研究倫理委員会の承認を得るための準備を進めている段階である。審査には2か月程度時間を要するため、承認後迅速に研究を開始できるようリクルートの準備を並行して進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画としては前後比較試験を予定していたが、研究計画を変更し、研究デザインを単一事例研究法に変更した。計画変更に伴い、研究の進行が遅れている。そのため、未使用額は次年度の研究遂行ならびに研究成果の発表の経費に充てる予定である。
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