2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cue integration for others ' gaze direction in infants and adults
Project/Area Number |
17K13963
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大塚 由美子 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (20757645)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 視線知覚 / 幾何学的手がかり / 明暗手がかり / 顔認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人を対象とした研究については、昨年度までに幾何学的手がかりと明暗手がかりが一致した条件下での、顔向き情報と目から得られる情報の統合について予定していた検討を全て終了した。このため、今年度は目領域から得られる情報の統合過程や特性を検討するべく、3DCG眼球・顔モデルの虹彩・瞳や強膜部分を着色・操作することで、これらの手がかり間に矛盾がある顔画像(幾何学‐明暗矛盾顔画像)を作成し、それらの画像から知覚される視線方向を検討した。視線カテゴリ分類課題と方位調整課題を用いた実験の結果、瞳の位置を示す幾何学的手がかりの不確実性が低く、かつ明暗手がかりとの矛盾が大きい幾何学‐明暗矛盾顔画像では、知覚される視線方向に対する明暗手がかりの影響の度合いには個人差が大きいことが示された。しかしながら、平均的には日本人参加者とオーストラリアのヨーロッパ系参加者の両群で明暗手がかりの影響を示す充血錯視(Ando,2002)が生じることが確認された。また、カテゴリ分類課題を用いて幾何学‐明暗矛盾顔画像への順応後の視線残効を検討する実験を行った結果、視線残効は幾何学的手がかりと明暗手がかりの統合の結果として生じる知覚上の視線方向を符号化する段階の順応を反映して生じることが示唆された。さらに、幾何学的手がかりの確実性の異なる幾何学‐明暗矛盾顔画像を用いて知覚される視線方向を検討した実験では、幾何学的手がかりの不確実性がより高い条件ほど、参加者間でより一貫して視線知覚に対する明暗手がかりの影響が生じることが示された。 一方で、乳児を対象とした研究では直視視線選好の生じ方に顔向きの情報が影響することが示された。
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