2018 Fiscal Year Annual Research Report
Time-specific involvement of N-methyl-D-aspartate receptor in the development of schizophrenia-like behavior in rats
Project/Area Number |
17K13965
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
古家 宏樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 室長 (90639105)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統合失調症 / グルタミン酸NMDA受容体 / 神経発達障害 / 認知機能障害 / プレパルス抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症の背景には発達初期の神経発達の障害があると考えられているが、その性状は明らかとなっていない。本研究では、統合失調症モデルである新生仔期NMDA受容体慢性遮断ラットを用いて、統合失調症様行動異常の原因となる神経発達障害が生じるメカニズムを解明することを目的とした。 本年度は、成体期に統合失調症様行動異常をもたらす、新生仔期NMDA受容体遮断による神経発達障害が、NR2Aと2Bのどちらのサブユニットを含有するNMDA受容体を介して生じているのか検討した。生後7日から20日のラットにNR2A含有NMDA受容体の選択的アンタゴニストPEAQX、NR2B含有NMDA受容体の選択的アンタゴニストifenprodil、あるいは非選択的NMDA受容体アンタゴニストMK-801を投与し、成体期にプレパルス抑制、Y字型迷路、社会的相互作用、MK-801誘発性過活動のテストを行った。結果、新生仔期にPEAQXを投与されたラットは、プレパルス抑制の障害、Y字型迷路における交替反応率の減少、MK-801誘発性過活動の亢進を示した。一方、ifenprodilを投与されたラットでは、これらの行動異常は観察されなかった。これらのことから、生後第2および3週時の正常な神経発達にはNR2Aサブユニットを含有するNMDA受容体の活性が必要であり、この受容体の機能低下による神経発達異常が統合失調症様行動の原因であることが示唆された。
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