2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Role of Spatial Information and Attention in Object Working Memory Retrieval Process
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17K13968
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
真田 原行 関西学院大学, 文学研究科, 博士研究員 (40734041)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 注意 / 作業記憶 / 事象関連脳電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、まず物体作業記憶検索過程における空間的注意の役割解明に向けた研究内容について、国際学会(the 22nd conference of the European Society for Cognitive Psychology)においてポスター発表した。この研究では、色や図形の組み合わせ方を記憶する物体作業記憶課題の検索過程では、色のみを記憶する色作業記憶課題の検索過程に比べて、検索すべき視覚刺激(検索ターゲット)に対する空間的注意の焦点化を反映するN2pcの振幅が大きくなることが分かった。またこの振幅増大は、作業記憶課題間の難しさの違いによるものではないことも分かった。つまりこの結果は、物体作業記憶の検索過程時において、色作業記憶の場合よりも、より強く空間的注意が働くことを示唆する。 そしてこの実験について、効果の存在を確かめるのに十分なサンプルサイズを確保するため、本実験(以降、第1実験)を継続した。 また第1実験の結果を受け、このN2pcの振幅増大が、検索ターゲットの処理促進を示しているのか、それとも同時に記憶内に存在するその他の表象(妨害記憶表象)の抑制を反映しているのかを検討する第2実験を昨年度から開始していたが、この実験も実施を継続した。
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