2018 Fiscal Year Research-status Report
持田栄一による教育福祉の理論と活動に関する社会史研究
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17K13973
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
稲井 智義 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (30755244)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 戦後教育学 / 幼児教育の公共性 / 児童福祉の制度化 / 教育思想 / 持田栄一 / 幼児教育実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、持田栄一による教育福祉の理論と活動に関して、戦後教育学、および戦後幼児教育史との関連から研究を進めた。また持田関連の資料の収集と読解を進めた。研究成果は、次年度前半の口頭発表によって公表する。本研究の意義を再検討することに関わる、近現代日本の子ども福祉と教育についても、英語圏の日本子ども史研究の動向を含めて、理解を深めた。 北海道の研究者を中心に、戦後教育学研究会を組織・運営して、研究を進めた。研究会報告では、持田、および同時代の教育学者小川太郎の幼児教育論について検討した。研究会のメンバーや他の研究者とともに、次年度、共同学会企画を提案して研究成果を報告する。今後の研究推進のための基盤が構築できた点は、本研究においても重要である。 持田が「幼児教育の公共性」という視点を提起していたことを手がかりとして、次年度に「幼児教育と公共」に関する学会報告と論文執筆を予定している。本年度は、この準備を進めた。 近現代日本の子ども福祉と教育については、これまでの研究成果を博士論文にまとめた。それに関連して、国内外の研究動向について検討した学会報告を行った。学会より執筆依頼を受けて、戦後初期の子ども福祉施設に関する図書の紹介原稿を執筆した。 北海道教育大学附属旭川幼稚園の幼児教育実践と申請者の教員養成活動についての論考をまとめた。附属幼稚園より依頼を受けて、倉橋惣三の幼児教育論について紹介した。近現代日本の教育福祉の研究を進めたこと、および、現在の幼児教育実践との関わりを持ったことによって、本研究の意義を再検討する手がかりを得た。持田が実践に関わっていたことをふまえて、申請者が現在どのように実践に関わるかということも本研究の課題であり、その点についても進展した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
持田栄一に関する研究成果公表についてはやや遅れているものの、次年度に3件の研究発表を見込んでいる。近現代日本の子ども福祉と教育に関する研究、および現在の幼児教育実践について、多くの成果をまとめることができた。今後、後者の成果をふまえて、持田栄一による教育福祉の理論と活動の意義をより明確にしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
持田栄一に関しては、次年度前半に3件の学会口頭発表を予定している。そのための準備を進めるとともに、年度後半にこれらの成果を論文にまとめて、学会誌・学内紀要に投稿する。
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Research Products
(9 results)