2018 Fiscal Year Research-status Report
海と人との関係の編み直しとしての海洋教育の基礎理論研究
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17K13975
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田口 康大 東京大学, 海洋アライアンス, 特任講師 (70710804)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海洋教育 / 教育人間学 / 記憶 / 想起 / 対話 / 継承 / 忘却 / 海洋リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「海と人との関係の編み直しとしての海洋教育の基礎理論研究」は、海と人との関係の編み直しの営みとして「海洋教育」を位置づけることで、海洋教育をめぐる混乱状況を整理し方向づけるための理論基盤を提供することを目的としている。 本年度は、記録と記憶に関わるメディア・理論研究として、ある特定の事象についての意味形成の営みに着目した。地域の記憶を保存し継承を試みるメディアとしてのミュージアム、口承文化に焦点をあてるオーラル・ヒストリー、フィクション・ノンフィクションを問わずイメージを残す映像メディア。空間、声、映像といったそれぞれのメディアを取り上げ、それぞれがもたらす意味形成の特徴について理論分析及び実践分析を行った。その際、人間存在にとっての対話の意味と身体の関係を軸とした。対話者同士にカメラが向けられている対話インタビューにおいては、相手に見られている身体、カメラに映されている身体、見られている・映されていることを意識している身体など、身体と自分との関係の間にいくつもの層が生まれていく。このことは、自分自身をどう認識するかということとも結びついていると考えられ、発話内容・対話内容への影響について考察を深めた。 また、全国で取り組まれている海洋教育の実践分析を行った。学校現場における海洋教育の可能性や課題について明らかにするために、海洋教育推進のねらいや、授業目標、カリキュラムの詳細についてのデータを収集した。 また、昨年度に引き続き、映像作家の福原悠介とともに「対話インタビュー」という対話空間の場づくりを実践した。海洋教育を推進している岩手県洋野町立中野中学校で実施したほか、宮城県気仙沼市小原木地域にて昨年度の「対話インタビュー」の上映会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論研究及び実践研究ともに計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
「対話インタビュー」の上映会においては、参加者同士の積極的なコミュニケーションが生まれ、地域を考える場となっていった。地域の文化継承や地域アーカイブはどうあるべきなのかということについて大きな示唆が得られた。次年度はより多くの上映会の場を設定し、地域の文化の編み直しについての考察を深めたい。
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Causes of Carryover |
本年度は実践に注力したため、理論研究用の書籍購入支出が少なくなっている。また、成果報告については本年度にまとめて行う予定のため、これまでの未使用金額は今年度に支出する予定である。その他の支出については、当初計画通り遂行する。
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Research Products
(4 results)