2018 Fiscal Year Annual Research Report
Differences of Processes between Elementary 6th-Grade Classes and Junior-High 7th-Grade Classes
Project/Area Number |
17K13980
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
笹屋 孝允 三重大学, 教育学部, 特任講師(教育担当) (90781120)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 小学校 / 中学校 / 学習規律 / 中一ギャップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,小学6年から中学1年への進学に際し,児童生徒の学習規律の認識がどのように変化するのか,また,それが児童生徒の学校生活に関わる諸認識とどのように関係するのか,質問紙調査の結果を分析して明らかにすることである。学習規律の認識を調査するために質問紙を3種開発した。学校生活に関わる諸認識は,「短縮版学級風土質問紙」(伊藤, 2009)と「学校適応感質問紙」(石田, 2009)を使用して調査を行い,以下3点の結果を得た。 (1)小学校,中学校共通して,教師と児童生徒の間の学習規律の認識,特に重要度の認識について,相違があり続ける。(2)小学校,中学校共通して,すでに成立している学習規律について,学習規律の重要度の認識の高低が学級風土や学校適応感の各因子と,おおむね相関関係にある。(3)中学1年生の学習規律重要度の1年間の推移について,年度前半で出身小学校による生徒間の差が小さくなり,年度末までその小さな差が小さいまま維持される場合と,年度後半で出身小学校による生徒間の認識の差が顕在化する場合の2種類がある。これらの結果から,中一ギャップへの対応として2点の示唆を得た。(1)中学校において,学習規律の重要性について授業中に学習機会が必要であり,それが生徒の学校適応感の向上や,よりよい学級風土の構築につながる。もしくは学習規律の重要性の理解が生徒の学校適応感や学級風土の特徴の目安となる。(2)生徒が中学校に進学した後,中学校の授業の特徴に一度は慣れるものの,その後に学習規律の学習が展開されないと生徒は小学校での授業経験を基に学習規律の認識を変化させ,その変化した認識が生徒の中学校での学校適応感や学級風土と関係する。
|