2018 Fiscal Year Research-status Report
オランダにおけるオルタナティブスクールの教育評価と質の維持・改善
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17K13982
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
奥村 好美 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (30758991)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オランダの教育 / オルタナティブスクール / 教育評価 / 学校改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オランダのオルタナティブスクールを中心として取り上げることで、授業・カリキュラム・学校レベルをつなぐ教育評価や質の維持・改善方策を見出すことを目的としている。平成30年度の主な研究成果は、以下の3つにまとめられる。 1つ目は、主にイエナプラン教育の教育評価及び質の維持・改善に関する現地での追加調査を行ったことである。具体的には、オランダ・イエナプラン ビギナーズ研修に参加し、イエナプラン教育の教育評価等に関する資料を収集するとともに、フィールドワークを実施した。フィールドワークでは、イエナプランスクールの状況を知るために、教師だけでなく、学校に通う子ども、保護者からも聞き取りを行った 2つ目は、主にイエナプラン教育の教育評価に関する研究成果を国内学会で発信したことである。オランダのイエナプラン教育における教育評価は、アメリカの真正の評価論から影響を受けていた。特にポートフォリオを活用することで一人ひとりの子どもの発達に即した個人内評価を行うことが重視されていた。また、教師のみが評価を行うのではなく、子どもたち自身が自己評価を行うことが大切にされていた。 3つ目は、オランダのピースフルスクールの考え方に基づき、日本の学校現場との共同授業研究を進めたことである。オランダのピースフルスクールでの授業づくりに関して、教育評価の視点だけでなく教育目標、教材・教具、指導過程・学習形態という4つの視点で整理した上で、それをふまえて日本での授業案を提示した。この研究成果についても論文を通じて発信を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度から継続して研究に取り組んできたオランダのイエナプラン教育の教育評価及び質の維持・改善について追加調査を行った。さらに、来年度に予定していたピースフルスクールに関して、教育評価以外にも視野を広げて理論・実践研究を行った。特にピースフルスクールの研究に関しては、研究知見をもとに日本の学校現場と共同研究を行い、その成果を発信することもできた。ただし、本来本年度に予定していたモンテッソーリ教育を実施する学校に関する研究を進めることは十分にはできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、当初の計画通り、オランダのピースフルスクールに関する理論・実践研究を継続して進めるとともに、引き続き日本の学校現場との共同研究を行う。また、これまでに取り組んできたオランダのダルトンプラン、イエナプラン、モンテッソーリといったオルタナティブスクールにおける教育評価や質の維持・改善に関する研究についても、引き続き実施する。さらに、これらの研究成果から日本への示唆を得るために、日本の様々な学校を訪問し、実態把握に努める。 これらの研究成果を整理し、学会発表や論文執筆を通じて発信する。
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Causes of Carryover |
オランダへの出張が3月という年度末となり、平成30年度分の予算への計上が間に合わなかったため。
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