2021 Fiscal Year Research-status Report
就学前期における折り紙構成遊びの教育的効果に関する研究
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17K13983
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
細谷 里香 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (20634984)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 折り紙 / 空間能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は情報収集や予備研究により,引き続き幼児を対象とした折り紙実践の具体的内容の検討をおこなった。折り紙実践を構想するにあたり,どのように教示を行うかは重要な問題である。Chikha et al. (2021) は6歳児を対象として,静的あるいは動的な視覚的教示による学習が子どもの空間能力とどのように関連するか検討をおこなった結果,空間能力と視覚的教示タイプの交互作用が認められ,空間能力が高い子どもは静止画よりもアニメーション教示によりさらにパフォーマンスが高まり,より学習パフォーマンスが向上する一方,空間能力が低い子どもはそのような動的なアニメーション教示による恩恵を受けなかったことを報告した。空間能力が高い子どもであっても静止画から学ぶのは難しいことが示されている(Chikha et al. 2021)。これらのことは,本研究の予備研究においても見出されている。本研究で大人を対象として折り図と動画への視線停留を検討したところ,折り図と動画では工程によっては折り図の方が工程によっては視線停留の頻度と時間が多くなることが示された。また,思考上で拡大・縮小する能力を測るスケーリング課題においては,幼児は抽象度が高い長方形などのシンプルなフィールドよりも,アイコン図が用いられた抽象度が低いフィールドの方が正しく距離や位置関係を推測することができていた。これらのことを踏まえ,本研究では教示に動的で抽象度の低い要素が入る教示を用いて実践することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴い,就学前児を対象とする実践研究の実施が困難になっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
幼児を対象に折り紙遊び実践を行い,折り紙遊びが空間能力に及ぼす効果を検討する。視覚的注意については,少数の事例検討を行うことを検討する。
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Causes of Carryover |
幼児を対象とした実践研究が十分に実施できなかったため,必要な消耗品等を購入することがなく,次年度使用額が生じた。 今後は実践に伴う消耗品購入や学会参加等のために使用する計画である。
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Research Products
(1 results)