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2018 Fiscal Year Research-status Report

単元学習・プロジェクト型学習・新教科開発に見る教師の「カリキュラム意識」の研究

Research Project

Project/Area Number 17K13992
Research InstitutionIwate Prefectural University

Principal Investigator

畠山 大  岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10616303)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsカリキュラム意識 / 拡張的学習 / 単元学習 / プロジェクト型学習 / 新教科開発
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度は、本研究課題の目的および実施計画に照らして、「単元学習」・「プロジェクト型学習」・「新教科開発」に関する諸研究の文献調査および実践事例の本調査を実施した。具体的には、次の3点を実施し、当該研究課題の展開を図った。
(1)「単元学習」・「プロジェクト型学習」・「新教科開発」に関する国内外の諸研究を収集し、分析・整理した。この点は前年度から引き続き実施した点である。国立国会図書館(東京館)、東北大学附属図書館等の国内における学外施設での資料収集、また、米国におけるハーバード大学教育学大学院の図書館での資料収集を実施した。これらの調査は、以下の(2)における実践事例の調査・分析のための視点を得る作業として、昨年度の成果を踏まえつつ、継続的に実施したものである。
(2)「単元学習」・「プロジェクト型学習」・「新教科開発」に関する実践事例の調査および、これらの動向と関連性の深いカリキュラム開発の実践事例の調査を実施した。前者については、特に「新教科開発」に焦点を絞り、T県N町で目下進められている実践事例の調査を複数回にかけて行った。新教科の開発に当たって直面する教育実践上の課題や、教師としての学びの実際を、具体的な実践事例に基づきながら分析した。後者については、米国ボストン地区の学校を事例に調査活動を実施し、学校を基盤としたカリキュラム開発の動向とその背景理論について調査を行った。
(3)これまでに得られた成果を基に、カリキュラム開発に必要な教師の学びを「拡張的学習」論の視点から分析し、「カリキュラム意識」概念の体系化を図った。前年度までの研究で仮説的に構築した6つの視点(教育目的論の視点、教育環境の視点等)を活用し、「単元学習」・「プロジェクト型学習」・「新教科開発」におけるカリキュラム開発に求められる原理として、「カリキュラム意識」概念を明確化した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題は3か年の研究課題として申請を行っている。今年度は、その3か年の2年目に当たる時期である。当初計画では、前年度(初年度)に実施した先行研究の調査や教育実践事例の予備調査(収集・分析)の成果として得られた仮説を踏まえて、本調査を実施することとしていた。この予定で研究を進めてきたところ、計画通り、本調査の実施まで到達することができた。具体的には、T県N町の実践事例の動向を、複数回にわたって調査を実施し、また、前年度から準備を進めていた米国ボストン地区の学校調査も滞りなく実施することができた。
このように、現時点では予定通り研究が進みつつあるものと判断できるため、進捗状況については、「(2)おおむね順調に進展している。」という区分での報告とした。
とはいえ、今年度の研究活動で充分に進めることができなかった点が大きく分けて2点ある。
第一に、先行研究の調査に引き続き補足が必要な点である。当該研究課題は「単元学習」・「プロジェクト型学習」・「新教科開発」と、広範な学習形態を研究対象としているため、収集・分析が必要な先行研究が多岐にわたるという特徴がある。これまでの成果を踏まえつつ、引き続き先行研究の収集・分析を進め、より適切な理論モデルの構築を進める必要がある。
第二に、研究成果の公表がやや抑制的となった点である。今年度は実践事例の本調査とその分析に多くの時間を割く予定としていたため、その結果を研究成果として公表する段階までは充分に到達することができなかった。この点は、次年度が研究課題の最終年度であることを踏まえ、次年度に力を入れて取り組まなければならない点である。
以上2点を継続的な課題としつつ、次年度の研究計画と併せて、着実な実施を目指すこととしたい。

Strategy for Future Research Activity

次年度の研究については、研究期間の最終年度であることを踏まえつつ、申請時点での研究目的、研究計画に照らして、次の点に焦点化して実施することとしたい。
まず、前項目で述べた継続的な課題として、次の2点に取り組む。(1)「単元学習」・「プロジェクト型学習」・「新教科開発」に関する先行研究のより包括的な収集・分析を実施する。(2)2か年間の研究の蓄積を踏まえて、得られた研究成果の公表を行う。なお、この点については、関連学会での研究発表をすでに予定している。
加えて、当初計画に基づき、次の3点に取り組む。(3)「プロジェクト型学習」・「新教科開発」に関して、平成30年度の本調査を補足するための追加調査を実施する(T県N町を対象とした教育実践調査)。なお、特に大掛かりな作業となるこの点については、当該自治体の教育長以下関係教職員のご厚意で、令和元年度も複数回の研究活動を実施することができる見込みとなっている。(4)「単元学習」については、鳴門教育大学附属図書館「大村はま文庫」で実践事例のより十全な収集・分析を実施しつつ、大村以後の実践事例の収集・分析へと研究対象を拡張する。本来であればこの点は、平成30年度に実施する予定であったが、他の学校調査(米国およびT県N町)を優先した関係で、令和元年度へと実施時期を変更した。(5)本研究課題の中心的な概念である「カリキュラム意識」概念の理論的な体系化を図る。特に、前年度の研究で「拡張的学習」論の視点から一定の理論化を行ったため、令和元年度は、この理論の精度を、他の教師の学び論との比較において高めていくことを目指す。
以上の5点に取り組むことで、当該研究課題の完結を図り、「単元学習」・「プロジェクト型学習」・「新教科開発」といった教師の創造性を発揮した教育実践の創出において求められる教育の原理を導出したい。

Causes of Carryover

今年度、次年度使用額が生じた理由は、3点ある。第一に、調査先への謝金の支払いが当初予定とは異なり、無くなったことである。先方のご都合で謝金の支払いが不要となり、その分が次年度へと繰り越しになった。第二に、物品費として計上していた機器の購入が不要となったためである。第三に、当初計画していた研究調査の旅費の一部が生じなくなったためである。
繰り越し分については、次年度の研究において実施する予定の追加調査や研究成果の公表において必要になる旅費等として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 創造的な教育実践を生み出す教師の「拡張的学習」―大村はまにおける単元学習の生成過程の再分析―2018

    • Author(s)
      畠山大
    • Journal Title

      活動理論研究

      Volume: 3 Pages: 1-14

    • Open Access

URL: 

Published: 2019-12-27  

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