2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on inclusive community systems that promote children's rights
Project/Area Number |
17K14005
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
伊藤 健治 東海学園大学, 教育学部, 准教授 (30781471)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子どもの権利 / 子ども条例 / 関係的権利 / 意見表明 / 権利擁護 / スクールロイヤー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、包摂的な社会・教育システムの実現に向けて、子ども条例を制定して総合的な子ども・若者施策を積極的に展開する自治体に着目し、子どもの権利を保障する社会・教育システムのあり方を考察した。研究方法としては、権利論を中心とした理論的研究と自治体調査に基づいた実践的研究の往還によって、子どもの権利に関する研究を総合的に進めることとした。 最終年度となる本年度は、子ども条例の実践事例からも明らかになった子どもの意見表明に関する現状と課題に焦点をあて、子どもの権利条約第12条の意見表明権をめぐる議論を中心に理論的検討を進め、その研究成果を論文「子どもの権利保障における意見表明権の意義」(『日本教育学会年報第50号』2021年)にまとめた。また、権利擁護の仕組みとして、スクールロイヤーや教育メディエイター等による学校現場での紛争解決について事例に基づく検討を行った。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響から予定していた調査が実施できなかったが、スクールロイヤー制度を導入する自治体・学校・弁護士会に対してアンケート調査をもとに研究を進めた。そこから、子どもの権利保障システムとしてのスクールロイヤー制度の効果的な導入について考察し、日本教育政策学会で「わが国におけるスクールロイヤー(制度)の現状と課題─アンケート調査結果に基づく考察─」と題して共同研究発表を行った。また、自治体による子どもの権利擁護機関の意義と課題について、制度的視点から検討し、論文「子どもの権利擁護機関に関する制度的検討 ―条例に基づく子どもの権利擁護制度の特徴と課題―」(『東海学園大学研究紀要』人文科学研究編第26号、2021年)にまとめた。 本研究の成果として、子どもの権利を保障する自治体行政システムの構築に向けて、子どもの意見表明及び子どもの権利擁護制度を中心に、理論的・実践的な課題を明らかにした。
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Research Products
(4 results)