2021 Fiscal Year Research-status Report
ハインリヒ・ヴォルガストの読書教育思想とドイツ児童書運動の歴史的研究
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17K14008
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
吉本 篤子 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (80771005)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 児童文学 / 読書教育 / 教育思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も引き続き新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、研究が困難な環境だった。ドイツへの出張を行えず、ドイツ国内での新たな史資料・文献収集ができなかった。過去に収集したうち未精読のドイツ児童書運動関連の文献をいくつか翻訳した。ハインリヒ・ヴォルガストの活動時期のハンブルク教育史にかんする文献についても翻訳を進めた。また、ドイツ児童書運動の関係者の活動を整理し、年表にまとめる作業を進めた。 ヴォルガストの主著のひとつ『全体的人間』(Ganze Menschen)のドイツ新教育における意義について検討するため、本書の重要なArbeit、Ganzheit概念についての論考を調査し、同時代の社会教育関連の文献についても調査を進めた。 以上の研究をすすめてきたが、論文発表にはいたらなかった。2022年度中に論文や報告書としてまとめたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度も引き続き新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて研究環境は不十分だった。従来の研究予定を遂行することができず、ドイツ国内に所蔵されている史資料についての調査、収集は進まなかったが、ドイツから関連文献を購入し、それらの精読・分析を進めた。所属大学の紀要や所属学会の学会誌への論文投稿のための準備を進めてきたので、2022年度中に発表したい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きハインリヒ・ヴォルガストの主著のひとつ『全体的人間』(Ganze Menschen)のドイツ新教育運動における意義の検討を行いたい。 ドイツ児童書運動のなかでヴォルガストが読書教育論に関する主著『我が国の児童文学の惨状』(Das Elend unserer Jugendliteratur)を出版した世紀転換期と同時代に出版されるようになった社会主義的児童文学・プロレタリア児童文学とのかかわりについても検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
ドイツへの出張を行えず、新たな史資料・文献の収集を行えなかったために、年度内の予算を使用することができなかった。次年度もドイツへの出張は引き続き不可能な状況ではあるが、関連文献の収集や文献のデータ化のための備品購入などに予算を使用する予定である。
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