2017 Fiscal Year Research-status Report
Teacher Network of the JapaneseEmpire in East Asia - Formation / Dismantling / Reorganization -
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17K14009
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Research Institution | Ueda Women's Junior College |
Principal Investigator |
山本 一生 上田女子短期大学, その他部局等, 講師 (70722578)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育史 / 対日協力政権 / 教員ネットワーク / 教員史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の一年目である2017年度は帝国日本と高等教育の教員という観点から、教員ネットワークの検討を行った。特に日本占領下北京の高等教育機関について、日本留学経験者の役割について考察した。検討結果を2017年8月26日から27日に中国天津の南開大学津南キャンパスで開催された「第二回“留学生と中外文化”国際シンポジウムにおいて「日本占領下北京の大学における日本留学経験者の役割」として報告した。さらに、報告結果を踏まえ「日本占領下北京大学における日本留学経験者の役割 : 銭稲孫と周作人を中心に」(『上田女子短期大学紀要』41号』、2018年1月)として発表した。本稿は華北占領地後の北京大学において日本留学経験者が「対日協力者」として果たした役割を考察した。日本が華北を占領すると、主だった国私立大学は蒋介石政権と共に「南遷」し、国立西南連合大学などを結成した。一方で残った北京大学や清華大学などを統合して、「国立北京大学」が「対日協力政権」である中華民国臨時政府唯一の総合大学として設置されることとなった。当初「国立北京大学」の設立に批判的であった銭稲孫は、家族問題を理由に北京に留まり、その批判対象であった機関の長という「対日協力者」となった。「国立北京大学」文学院長、華北政務委員会教育総署督べんとなった周作人も家族問題などを理由に北京に留まり、結果的に「対日協力者」となった。 さらに、2017年8月20日から25日まで山東省青島に滞在し、中国海洋大学修斌教授と研究交流を行い、青島市とう案館にて史料調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一に、日本占領下北京の知識人の動向について、外務省関係史料を用いて明らかにする事が出来た。第二に、現在は引揚研究を進めつつあり、帝国日本が敗戦によって崩壊したのちに、「外地」にいた教員が戦後にどのように再就職したか検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
引揚者による同窓会資料などを用いて、敗戦による帝国日本崩壊後の「外地教員」の再就職問題を検討する。
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Research Products
(5 results)