2018 Fiscal Year Research-status Report
Teacher Network of the JapaneseEmpire in East Asia - Formation / Dismantling / Reorganization -
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17K14009
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Research Institution | Ueda Women's Junior College |
Principal Investigator |
山本 一生 上田女子短期大学, その他部局等, 講師 (70722578)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育史 / 対日協力政権 / 高等教育史 / 帝国日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の2年目である2018年度は第一に帝国日本と「外地」の教員という観点、第二に高等教育史の検討を行った。 前者についてはまず2018年9月29日に一橋大学で開催された教育史学会第62大会にて「華北占領期における義務教育の展開-青島特別市を事例として-」を報告し、次に2018年11月30日に神奈川大学非文字資料研究センターにて開催された「2018年度第3回公開研究会 「青島租界と日本」を巡る円卓会議」において「青島と日本-学校と教育-」を報告した。前者では対日協力政権 の義務教育がどのように展開したのか、青島市とう案館所蔵の公立小学校学生簿史料を用いて山東省青島の公立小学校を対象にその具体相の解明を目的とした。後者では青島と日本との関係について、第一次大戦下の1917年に青島守備軍によって設立された青島中学校に着目し、開校に至るまでの課程を大谷喜久蔵司令官の日記史料から辿った。さらに2019年2月に風響社より『青島と日本-日本人教育と中国人教育-』を刊行した。 第二の高等教育史での検討は以下の知見を得た。「存在しない大学史-早稲田大学における幻の学部構想-」(『上田女子短期大学紀要』42号、2019年3月、pp. 77-86)では早稲田大学を対象に、これまで構想されつつも実現されなかった「幻の学部構想」に焦点を当てた。 さらに、2018年8月23日より9月7日まで中国青島・北京に赴き、中国海洋大学修斌教授と研究交流を行い、青島市図書館および北京国家図書館にて史料調査を行った。また2019年3月20日から27日までシンガポール国立大学および国立図書館にて、日本統治下シンガポールの学校教育を調査し、青島における学校教育史とを比較する視座を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一に、日本占領下の青島における学校教育の実態について、「学生簿」からその具体相を解明することができた。第二に、早稲田大学を事例に学部構想の破綻過程を解明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の敗戦後、対日協力政権下の青島特別市の公立学校がどのように戦後国民政府に接収されたのか、戦前/戦後の連続面と断絶面を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた韓国での資料調査が諸般の事情により中止せざるを得なくなったため、その予算が未使用となった。翌年度に資料調査を行いたい。
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Research Products
(4 results)