2019 Fiscal Year Research-status Report
保育士の早期離職を生む構造の分析と早期離職を防ぐリカレント教育の実証的研究
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17K14011
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Research Institution | Osaka Aoyama University |
Principal Investigator |
黒澤 祐介 大阪青山大学, 健康科学部, 准教授(移行) (40633631)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保育士 / 早期離職 / 働きやすさ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、引き続き離職要因の構造の分析を行いつつ、離職せずに働き続けられる働きやすい保育職場の要因の分析へと発展させてた。保育士へのヒアリングに加え、行政へのヒアリングと、ワークショップ形式で保育士同士が「離職」た「働きやすさ」に関して意見を交換する機会をもうけ、その結果を質的に分析し、政策や保育環境が離職、あるいは離職せずに働き続けられることへどのように関連しているのかを研究した。 研究結果からは、前年度に明らかにした職場のチームワークなどの「人間関係」の問題のみならず、年間休日日数の問題、残業の問題などの「働き方の問題」、研修や処遇など「専門性の担保制度の問題」、そして、保育のしやすい「地域社会との連携の問題」が、離職に影響を与えていることがあきらかになった。 つまり、今後、保育士の離職を防ぐために必要な対策として、国全体の働き方改革と同じく、休憩時間の工夫、書類の見直しや事務時間の保障、ICTの活用や事務職員の導入などによる負担の軽減を行い、保育者の労働時間を削減していく必要がある。また、土曜日やお盆・年末年始も開所する園では年間の休日数が少なくなる傾向にあり、土曜日出勤の代休の保障、完全週休二日制の導入の検討や、年間休日数を増やす努力など、保育園での働き方を見直す必要がある。 また、労働負担の大きくならない形での研修時間の確保、地域住民との交流と豊かな地域社会の構築が必要であり、保育園内での対応だけでなく、行政的な支援も必要となることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、社会状況の変化もあり、リカレント教育の実施がスムーズにすすめることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、これまで予定通りにすすめられていないリカレントやカンファレンスなどをオンラインも活用しながら実証的な研究をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
リカレント実施が社会状況の影響もあり予定通りにすすまなかったため、その実施、調査に関わる費用を繰り越している。
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