2020 Fiscal Year Research-status Report
保育士の早期離職を生む構造の分析と早期離職を防ぐリカレント教育の実証的研究
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17K14011
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Research Institution | Osaka Aoyama University |
Principal Investigator |
黒澤 祐介 大阪青山大学, 健康科学部, 准教授(移行) (40633631)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保育士 / リカレント教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和二年度は、リカレント教育のモデル研究を中心に行った。保育士の離職を防ぐためにどのようなリカレントのあり方が有効であるかを検証するため、2つのパターンのモデルを実施した。 1つ目のモデルは、保育現場のカンファレンスの手法によって行う「保育現場におけるリカレント教育モデル」で、2つ目のモデルは、保育現場以外の場所において、同じ大学を卒業した保育者が語り合う形の「学習会形式のリカレント教育モデル」である。 それぞれのモデル研究に参加した保育士のアンケートからは、両モデルとも保育士の悩みを軽減し、意欲を高める効果が明らかになりつつある。その要因についての精緻な分析はまだ途中であるが、アンケートの中からは「自分の知った先生や友人だから疑問を聴きやすい」というような声が多数あり、リカレント教育は、その教育的内容による保育の質の向上といった効果のみならず、保育士の離職の要因ともなっている「職場の人間関係の難しさ」を補完しうる可能性がみられる。つまり、「職場の専門職共同体」は自らが選択的に選べるものではなく、リカレントを通じて自らが主体的に選択できる「親密な関係を軸とした専門職共同体」を職場外に持つことが、「職場の専門職共同体」がうまく機能しない際の、保育士のストレス軽減や保育士の質の向上への保障となる可能性が示されている。 また、令和二年度はこれまでの研究を雑誌論文や講演会等によって公表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、リカレント教育が予定通り実施できないこともあった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和三年度は、最終年度として、リカレントのモデル研究をさらにすすめ、保育士の離職を防ぐ要因を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大のため、モデル研究、アンケート研究に遅れが生じたため。
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