2021 Fiscal Year Annual Research Report
Process of Building and Changing the Gender Perspective of New Teachers in Student Guidance
Project/Area Number |
17K14020
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Research Institution | Miyazaki Municipal University |
Principal Investigator |
寺町 晋哉 宮崎公立大学, 人文学部, 准教授 (10775729)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学級 / 友だち |
Outline of Annual Research Achievements |
本事業の目的は「教師のもつ生徒指導におけるジェンダー観の変容過程」を明らかにすることであったが、これまでに行った調査から教師の生徒指導観の中でも学級経営に焦点を当てる必要性が生じた。これまでの研究で、新任教師たちは日々の教育活動に追われていることを明らかにしてきたが、児童生徒たちのトラブル等へ対応する際、自らの友人関係の経験を踏まえつつ、学級経営を行なっていた。つまり、教師自らの児童生徒間関係の経験をもとに、学級経営を行う可能性が大きい。その一方で、学校における児童生徒の関係は個別に自由に形成できるものではなく、様々な要素に規定されている。そして、学校特有の関係が教師たちの学級経営を改めて規定すると考えられる。 そこで、学校特有の児童生徒関係、中でも「友だち」関係に焦点を当て、その性質を明らかにした。具体的には「友だち」関係についての先行研究をレビューし、学校に特有の要素を明らかにしている。
まず、「友だち」は自由で選択可能な関係であると論じられているが、「学校の友だち」はそれほど自由でも選択可能なものでもない。学校の「友だち」の多くは同じ学校・学級を基盤にして形成されており、小学校の8割以上、中学校の6割以上が「同じクラスが多い」と答えている調査もある。つまり、学校の「友だち」はあらかじめ選択できる関係の範囲が決められている。 次に、同じ学級である児童生徒は、授業はもちろんのこと、行事関係など、多くの活動を一緒に行うことが半ば強制されている。この点について、学級制度がもつ役割から整理している。 さらに、中学校よりも小学校において、教師の持つ影響力が増すと考えられる。なぜなら、小学校は、基本的に学級担任が授業も行うため、1日中子どもたちと接点をもつことになる。すなわち、子ども同士の関係を把握しやすく、彼/彼女らの関係を授業や学級活動と関連させて行動することも増加するからである。
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Research Products
(1 results)