2017 Fiscal Year Research-status Report
熟練幼稚園教師の国際比較研究ー日本・中国・アメリカー
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17K14021
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
林 安希子 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (50789716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際比較研究 / 幼児教育 / 教師の熟達化 / 教師の専門化 / ビデオを使ったインタビュー法 / 教師養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、“熟練幼稚園教師”を日本・中国・アメリカの3カ国の国際比較から検討するもので、2点の研究課題解明を目的としている。1)各国の熟練幼稚園教師の教授法の特徴は何か、2)熟練幼稚園教師に至る過程に何が貢献しているのか
2002年にまどか幼稚園の貝塚真理子先生・小松谷保育園の森田千里先生・Sinanlu幼稚園のWang Jain先生・Daguan幼稚園のZhang Rui先生・Alhambra幼稚園のFran Smith先生・St. Timothy幼稚園のJannie Umeda先生の3カ国計6クラスのビデオ撮影・インタビュー調査を行った。15年経った現在(2017年)、6人の先生達はそれぞれの形で幼児教育に携わっている。この6人の担任教師に加え、他の熟練教師・園長・幼児教育専門家も調査対象者として、ビデオを使ったインタビュー法 (“Video-cued multivocal ethnography”)による調査を実施した。平成29年度は6人の先生達の中国・日本の4人の先生達と、中国・日本・アメリカの熟練教師・園長・幼児教育専門者への調査を実施した。
各国のインタビュー調査で “余裕が出来てきた”“言葉より体を使うようになった”“子どもと向き合えるようになった”という答えを得た。これらの回答は、教職歴5年目から18年目という年月に伴う文化・国を超えた教師の教授法の変化を示唆している。また、その変化に何が貢献しているのか、という2番目の研究課題では、師弟関係、現場経験、ワークショップ、園内研究など、各国特有の傾向が見られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に、日本とアメリカでの研究調査実施予定だったが、研究協力者の都合もあり、日本と中国での研究調査実施(各国約20時間のインタビュー調査) となった。 インタビューで得たデータは随時テープ起こしと翻訳作業を行った。調査の進捗状況は調査場所の変更はあったものの、概ね予定通りである。論文発表・紀要報告・学会発表の多くは、アカデミック対象なので、より広い社会への発信を目指し、 ホームページ開設を予定していたが、開設に至らず、遅れている点である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、アメリカでの研究調査(約20時間のインタビュー)を実施予定である。平成30年度前半にて、全ての研究調査を終え、後半はデータ分析を中心とする。データ分析と同時に論文執筆・本執筆への構想を考え、論文執筆・本執筆を開始する。中間報告として成果を学会などで発表していく予定である。また、研究開始初年度よりホームページを開設する予定だったが、開設に至らなかったため、平成30年度中には開設し、研究結果を随時掲載していきたい。
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Causes of Carryover |
3月に参加した国際学会の会計処理が平成29年度内にできず(3月31日に帰国したため)、その分が次年度使用額へと移行となったが、現時点(5月17日)ですでに処理済みで、平成30年度の使用計画にほぼ変更はありません。
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Research Products
(3 results)