2017 Fiscal Year Research-status Report
理科における自己調整学習能力を育成する統合的評価の方略モデルの構築と授業の開発
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17K14027
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
渡辺 理文 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (30758363)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 評価 / 自己調整学習 / 理科学習 / 科学概念 / 資質・能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の全国学力・学習状況調査において、理科では子どもが問題解決のために自律的に思考し、思考した内容を自分なりに表現する力に依然として課題を有することが明らかになった。この課題の解決のために、いかに子どもが自己の学習を調整するのか、それを教師がどのように支援していくのかを明確にする必要がある。この課題は、学習指導要領でも充実が求められている内容でもある。 本研究では、Crispが提案する自己調整学習能力の育成を促すための統合的評価の概念に着目した。統合的評価の実践は、教師も子どもも評価者として学習を進めるというものである。教師の評価活動と子どもの評価活動の相互作用によって、学習を進める。具体的には、教師は診断的評価と形成的評価、総括的評価の関連性を強化し、三つの評価を機能的に駆動させることで、子どもの自己調整学習への支援を行う。子どもは、自己評価と相互評価をしながら、メタ認知をしながら自分の考えの更新を行う。 理科において、統合的評価の方略モデルを構築し、子どもが自律的に思考・表現を展開できる力を育成するための授業デザインの開発を目指した。事例的研究として、小学校の理科授業で実践を行った。結果として、教師と子どもの評価活動の相互作用が、学習指導要領で求められている学習評価の充実に寄与することが明らかとなり、統合的評価に基づく授業が子どもの自律的に思考・表現する能力の育成に寄与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校の理科学習においての統合的評価の授業デザインの枠組みについて、実践を通して検証し明らかにした。中学校における検証の実施は行っていないが、現在計画中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、中学校での授業実践について計画し事例的研究を行う。また、さらに小学校での事例的研究を重ね、授業デザインの枠組みの精緻化を図る予定である。
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Causes of Carryover |
授業の調査に関して、研究補助の学生への謝金が発生しなかったため、「人件費・謝金」に余剰が生まれた。次年度では、研究補助の学生への謝金に使用する。
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Research Products
(8 results)