2017 Fiscal Year Research-status Report
資質・能力の育成を目指すデザイン思考を導入した言語活動モデル開発に関する質的研究
Project/Area Number |
17K14034
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
細川 太輔 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70738228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デザインシンキング / 国語 / 話し合い |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は大きく分けて2つの調査を行った。 1つ目はアメリカでデザインシンキングの方法や実践を調査したことである。9月末から10月の初めにアメリカに出張し、多くの示唆を得た。まずデザインシンキングを中心に研究しているStanford大学に行き、D.schoolのAriel氏にインタビューしてデザインシンキングの考え方や具体的な実践方法を知った。またデザインシンキングの考え方を取り入れた実践をしているアメリカの小学校のBullis charter school, Evergreen school,Ventana school, 中学校・高校のTesla STEM High schoolを視察し、具体的な実践や子どもの学んでいる様子、教師の考え方について調査した。それからGoogleやSisco、MicrosoftなどのIT企業に行き、新しい考えを出すための話合いには、様々な人と直接コミュニケーションがとれる環境作り、リラックスできる環境作りが重要であるとの知見を得た。 2つ目は日本で具体的に実践したことである。大学生を対象にデザインシンキングの実践の一つであるマシュマロチャレンジの実践を行い、そこで行われている話し合いをビデオで撮影し、分析を行った。その結果学生たちは話し合いをする際に時間ぎりぎりまで話し合うのではなく、話し合って試作品を作り、そこで明らかになった課題をもとに話し合っていくという手法を取るべきだと考えを変えたこと、役割分担を決めることの重要性を学んだことが明らかになった。ただ具体的にどのような会話をしたのか、分析するところまでは行えていないので、新しいアイディアを生み出すときの話し合いの特徴を明らかにするところまでは到達できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカでインタビューや調査を行い、もとになる考え方や具体的な実践を知ることができた。また大学生ではあるがプレ実践を行うことができた。このデータは分析中であるが、そこで出た課題をもとに、小学校・中学校向けの実践を開発する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は引き続き、アメリカでの調査を行ってデザインシンキングに対する理解を深めるとともに、大学生で行った実践の分析から見えた課題をもとに、小学校・中学校での実践を開発し、分析していくことを考えている。
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