2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of Education for Sustainable Development Lesson in Geography Using the Triple Bottom Line
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17K14038
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
阪上 弘彬 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (30791272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ESD(持続可能な開発のための教育) / 地理教育 / ドイツ連邦共和国 / 持続可能なトライアングルモデル / 環境・経済・社会 / 持続可能な開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、環境・経済・社会のバランスある発展の方向性(目標)を示すドイツの「持続可能なトライアングルモデル(Dreieck der Nachhaltigkeit)」を用いた地理におけるESDの授業理論並びに授業開発を行うことである。そのために本研究では、ドイツにおける地理カリキュラム・教科書単元の検討、現地での授業見学を通じて、地理学習における「持続可能なトライアングルモデル」を用いた学習効果およびその意義について明らかにしたうえで、授業開発に取り組む。 初年度である平成29年度では、ドイツにおける「持続可能なトライアングルモデル」、ESD、地理教育等の文献収集および文献研究を中心に研究を実施した。 ドイツでは、持続可能な開発を考える際に、環境・経済・社会の3観点を基本に持続可能性を捉えている(持続可能なトライアングルモデル)が、これ以外にも、3観点に政治もしくは文化を加えた4観点、環境をベースとして経済および社会が成り立つモデルなど、多様なモデルが存在し、これらのモデルの特質をまとめることができた。加えて、ラインラント=プファルツ州、バーデン=ヴュルテンベルク州のカリキュラム・地理教科書を分析し、これらにおいての持続可能なトライアングルモデルが学習においてどのように活用されているかについても分析・整理を行った。 また当初の計画では現地において授業見学、地理教育・ESDの専門家への聞き取り調査を3月に予定していたが、研究代表者の所属機関異動の時期と重なったため断念した。しかしながら聞き取りを予定していたラインラント=プファルツ州の地理教育カリキュラム作成責任者でESDの専門家が訪日されたことから、日本においてドイツのESD、地理教育に関する聞き取りを行うとともに、ESDに関する資料・情報、持続可能なトライアングルモデルを用いた授業実践資料の提供を受けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画をしていた現地における授業見学はできなかったが、持続可能なトライアングルモデル等に関する文献の収集、モデルの整理といった文献研究を計画通り実施することができ、その研究成果を国際・国内学会および学会誌において順調に公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は平成29年度に実施できなかった現地での授業見学、資料収集を実施するとともに、文献研究の継続、持続可能なトライアングルモデルを用いた授業理論研究および開発を実施する。また高専の地理授業で持続可能なトライアングルモデルを用いた実験授業を実施したこともあり、その成果を学会発表等で公表する。
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Causes of Carryover |
次年度に2回、ドイツ(ラインラント=プファルツ州、バーデン=ヴュルテンベルク州)において授業見学、聞き取り調査を実施する予定であり、そのための旅費等として支出する予定である。 また、調査対象であるバーデン=ヴュルテンベルク州のカリキュラムが改訂され、それに伴い新たな地理教科書が販売されたため、その教科書および関連書籍の購入のための費用としても使用する予定である。
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Research Products
(8 results)