2021 Fiscal Year Research-status Report
鍵盤楽器における演奏指導法の開発:身体メソードを中核として
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17K14039
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
福富 彩子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90549388)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 演奏指導法 / 身体メソード / ディスポキネシス / ピアノ演奏法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ピアノ演奏における手指の巧緻運動能力向上を図るため、演奏家のための身体法「ディスポキネシス」を従来のピアノ演奏法に援用し、独自の演奏指導プログラムを提案することを目的としている。ピアノ学習者を対象として行った動きの実践では、指先に伝達する力は緩めず、指先以外にかかる動作筋収縮を緩和させる実践後に、全演奏課題の評点平均値が優位に上昇しており、演奏時の手指の巧緻性を高めるのに有効であることが示唆された。とりわけ、難易度の高い課題で評点の顕著な上昇が確認できた。また、特定の指を動かす際、指先の触感の意識化とともに動かす指以外の身体部位に動きの制限を与えることで、特定の指の独立・分離を促すことが推察された。 当該年度は、これまでの研究成果について整理し、学会誌での発表を行った。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で再延期となっていた講演(講座・演奏)を専門家の協力を得て開催した。 具体的には次の通りである。R3/5月~10月:ピアノの練習を助ける「補助的な動き」の有効性と課題点の整理、R3/11月:日本音楽表現学会『音楽表現学 Vol.19』誌上発表、R3/12月~R4/3月:講演準備(プログラムの検討・会場手配とチラシ等の作成・関係各所への案内・リモートでの専門的助言・演奏研究等)、R4/3月:演奏身体法に関するミニ講座・チェロとピアノによる演奏会を松山市内のホールにて開催。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1~3年目(H29~H31)の進捗状況はおおむね順調に進展しており、予備的な実践結果を分析し、本研究で得られた結果は学会・紀要等で発表を行った。3年目に実施できなかったピアノ学習者・指導者を対象とした公開講座(ワークショップ)を4年目(R2)に計画したが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で県外の専門家招聘や対面による講座開催が困難であったことから開催を見送った。 5年目(R3)、専門家とのスケジュール調整を行い、R4年3月に、松山市内の会場にて音楽学習者や音楽指導者を主な対象とした講演(講座・演奏)を開催することができた。一方、R3年度末頃まで県外の専門家との面談には制約があったため、演奏身体法に関する助言、研究結果の専門的評価を十分に得られていない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの研究結果と演奏身体法の講座内容をまとめた映像付き資料を作成して報告を行うとともに、手引き案を作成する。具体的なスケジュールは、次の通りである。R4/4月~8月:講座内容のまとめ・映像編集、R4/9月~10月:手引きに関する打ち合わせ(専門的助言)、R4/11月~R5/2月:動画・手引き案の作成、R5/3月~4月:報告書の作成。 遂行する上での課題は、県外出張及び専門家との打ち合わせが困難となる可能性がある。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、演奏身体法のミニ講座及び演奏の講演日を専門家と調整の上、R4年3月22日に予定したが、開催時期に再び緊急事態宣言あるいは、まん延防止等重点措置発出の可能性があり、2月末時点で講演の再延期が濃厚となったこと、動画を含む手引きの作成が計画通りに進んでいないことが理由である。次年度の使用計画は、本研究成果・講演内容を整理し演奏身体法に関する映像作成、及び動画分析を行うためのパソコン・映像編集ソフト等(物品・その他)の使用を計画している。
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Research Products
(1 results)