2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Methodology of Social Capital Formation through Art Education
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17K14045
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
藤原 智也 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (50737822)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 美術教育 / コミュニティ / ソーシャル・キャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、現代社会の問題の中でもコミュニティの空洞化に焦点をあて、風土や文化に根付いたコミュニケーションのエンパワーを美術教育が担う事によって、ソーシャル・キャピタル形成へどのように資することができるのかを検討する基礎的研究である。ソーシャル・キャピタルは民主制の正常な作動の前提として再定義されており( R.パットナム)、とりわけ社会批評的な現代アートと課題認識の近接性があるものの、日本の美術教育分野では本格的な研究がなされていない。 そこで、①政治社会学における地方自治を基礎とした社会形成を指す「補完性の原理」と日本の学校教育制度や芸術文化制度の位置付け、②現在の先端的なコミュニティ・デザインや地域アートに関する実践事例と学校教育への展開の可能性についての考察、③関連する学校美術教育実践の分析と授業提案を行ってきた。 ①については、補完性の原理が憲法的要請の文脈の中にあること。先進諸国における地方自治の中で市民参加による教育基準の作成がされているのに対して、日本では国家単位と専門家の密室会議による学習指導要領の作成がされている点に特徴があること。その中での美術科教育の内容に、近代的な理念との乖離(内面介入)や内容設定の恣意性(現代アートやコミュニティデザイン等の不在)が全域的に温存されている問題を明らかにするなどし査読付論文として学会誌に掲載された。②については、コミュニティ・デザインの実践で著名な山崎亮氏、地域アートの批評で著名な藤田直哉氏などを招いたシンポジウムを主催し、他に関連する教育実践を行なっている学校教員や大学研究者を交えた検討をおこなった。③については、地域連携による子どもと地域に人々とのコミュニケーションのエンパワーをアートやデザインによって行っている事例について調査するとともに、その理念をまとめた章を組み込んだ実践普及のための書籍刊行を行った。
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Research Products
(4 results)